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外傷:その他の外傷・環境障害

ハチ刺傷

ハチししょう、Bee sting

吉岡 敏治

どんな外傷か

 ハチ毒による直接作用と、繰り返して刺されたことによるアレルギー作用から、局所・全身の症状を示します。死亡する場合の多くは、後者のアナフィラキシーショック(急性の全身性ショック)が原因といわれています。

 アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、マルハナバチ類の約20種類が毒針をもつ攻撃的なハチとされています。

 ハチ毒には、局所の痛みや腫脹(しゅちょう)(はれ)を起こすアミン類(ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンなど)、アレルギー反応の原因になる高分子蛋白質(ホスホリパーゼ、プレテアーゼ、ヒアルロニダーゼなど)、溶血(ようけつ)作用(赤血球の崩壊)を起こしたり神経毒でもある低分子ペプチド(メリチン、アパミンなど)の3種類があります。

症状の現れ方

 刺された直後に激痛が走り、局所は発赤、腫脹します。大型のスズメバチや多数のハチに一度に刺されるとハチ毒による中毒として、頭痛、発熱、嘔吐・下痢などの消化器症状や、呼吸困難、さらにはけいれんなどの全身症状が現れ、多臓器不全から死亡することもあります。

 アナフィラキシーショックは、刺されてから15~20分以降に起こります。前回刺された時に、局所の症状が激しかった場合、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高いとされているので、注意が必要です。

治療の方法

 局所の疼痛、掻痒感(そうようかん)(かゆみ)、発疹、熱感などに対する対症療法と感染予防が行われます。重症の患者さんでは呼吸・循環管理を中心にした抗ショック療法を行います。

 山林業などに従事する人々を対象に、アナフィラキシーショックによる死亡を回避するため、刺された現場で注射できる自己注射用アドレナリンが日本でも2003年から発売されています。

応急処置はどうするか

 ミツバチは毒腺を残して飛び去るので、ナイフなどでていねいにはぎ取ります。ただし、不用意に指やピンセットでつまむと、さらに毒液を注入することになるので注意が必要です。

 以前に刺されたことがある人は、あらかじめ医療機関から注射器にセットされたアドレナリン製剤を入手し、準備しておくとよいでしょう。

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