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家庭の医学

外傷:腹部外傷

膵臓損傷

すいぞうそんしょう、Pancreatic injury

葛西 猛

どんな外傷か

 膵臓は胃の後面の後腹膜腔(こうふくまくくう)に位置するために、前方からの外力では損傷を受けにくい臓器です。

 損傷を受けたとしても初期に診断することは難しく、膵臓液が腹腔内に漏れて激しい腹痛を訴えるようになってから膵臓損傷が疑われます。

原因は何か

 日本では刺創(しそう)や銃創(じゅうそう)は少なく、交通事故が圧倒的に多くなっています。

 とくに、ダッシュボードやハンドルなどの直達(ちょくたつ)外力(外から加わる直接的な力)によって損傷を受けることが多くなっています。

症状の現れ方

 初期の段階ではおへその上部に軽い痛みを訴えるのみです。

 時間の経過により痛みは強くなり、同時に背部痛、吐き気、嘔吐を伴うようになります。

検査と診断

 膵臓の酵素のひとつであるアミラーゼの血中濃度の上昇は膵臓損傷に特異的な所見ではありませんが、一度正常化した値が再び上昇する時には、膵臓損傷を疑うべきです。

 主膵管損傷を伴う膵臓損傷のほとんどは造影CTにより診断することができますが、所見がはっきりしない時は、12時間後に再度造影CTを撮るか、内視鏡的逆行性膵胆管造影を行います。

治療の方法

 主膵管損傷を伴う膵臓損傷に対しては、膵臓温存手術などの複雑な手術は避けて、単純で安全な膵臓摘除術を選択すべきです。

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