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遺伝的要因による疾患:眼科系の疾患

網膜色素変性

もうまくしきそへんせい、Retinitis pigmentosa

堀田 喜裕

どんな病気か

 眼科の病気のなかで最も重篤な遺伝性疾患で、全世界で人口約5000人に1人の割合で発病するといわれています。優性、劣性、X連鎖性(れんさせい)、すべての遺伝形式が知られ、暗いところで見にくいこと(夜盲(やもう))で発症し、徐々に視野が狭くなり(視野狭窄(しやきょうさく))、進行例では失明に至りますが、軽症例では寿命と視野狭窄の競争になり、すべての患者が失明するわけではありません。X連鎖性、劣性、優性遺伝形式の患者の順に病気の進行が早いことが知られています。

原因は何か

 網膜のなかで構造、機能(光情報伝達を含む)、発生などに関与する遺伝子の異常によって起こることが知られています。家系によって異常の遺伝子は異なり、2009年6月現在で34個の原因遺伝子が知られています。

症状の現れ方

 夜盲が初発症状で、だんだん視野が狭くなっていきます。中心の視野は比較的後期まで保たれますが、さらに進行すると視力も低下します。

 発症の時期はさまざまであり、幼少期に重度の視力障害に至るものもあれば、自覚症状に乏しく中年になって眼科での検査によって偶然に診断される場合もあります。

病気に気づいたらどうする

 残念ながら有効な治療法はありません。種々のビタミン剤、血管拡張薬などが処方されますが、確実な効果はありません。まぶしさに対しては、サングラスや、特殊な色の遮光眼鏡が有効なことがあります。視覚補助具や、パソコンも生活支援に役立つことがあります。進行した場合には、リハビリテーション施設等での歩行訓練、生活指導が有用です。

 欧米では種々の人工網膜が患者さんに試されており、ごく一部の患者さんに対してですが、遺伝子治療も始まっています。

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