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遺伝的要因による疾患:遺伝の様式

近親婚

きんしんこん、Consanguineous marriage

田村 和朗

 血のつながりのある親類を「近親者(血縁者)」といい、共通する遺伝子をもっている可能性が高い集団です。共通する遺伝子をもつ確率によって第一度近親者、第二度近親者というように分類します(表5)。

 家系調査により共通の祖先をもつ関係は、すべて近親ということになります。そのような血縁者同士が婚姻関係を結ぶことを「近親婚」といいます。法律により日本では「いとこ婚」までは認められています。ここでは、いとこ婚を例にあげて説明します。

 図14のように、結婚関係にあるⅢ‐1とⅢ‐2は親が兄弟姉妹の関係にあり、祖父母であるⅠ‐1(祖父)とⅠ‐2(祖母)は共通の人物です。ある遺伝子座(ざ)の祖父のもつ対立遺伝子をaとb、祖母のもつ対立遺伝子をcとdと仮定すると、曽孫(ひまご)Ⅳ‐1のところでa、b、c、dそれぞれの遺伝子がホモ接合する確率は64分の1です。

 4種類あるので、いとこ婚において共通祖先Ⅰ‐1とⅠ‐2から伝えられた遺伝子がホモ接合する確率は16分の1(64分の1×4)になります。

 劣性遺伝病の時、近親婚が大きな意味合いをもちます。たとえば、Ⅰ‐1とⅠ‐2のどちらかが保因者(ヘテロ接合)であるとすると、曽孫が発病する確率が高まることになります。代謝性疾患で多く認められる常染色体劣性遺伝病の場合、他人婚に比較し、発病の確率が数倍~数十倍高まることがあります。

表5 近親度と近縁係数
図14 いとこ婚とホモ結合

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