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家庭の医学

感染症・食中毒など:細菌・ウイルスなどによる感染症/皮膚

皮膚真菌症(白癬)

ひふしんきんしょう(はくせん)、Dermatomycosis (Tinea)

本田 まりこ

どんな感染症か

 真菌(カビ)が皮膚に感染、または寄生して起こる病気で、皮膚糸状菌(しじょうきん)(白癬菌(はくせんきん))、カンジダ、癜風菌(でんぷうきん)、黒色真菌などによって起こります。ここでは、皮膚糸状菌(白癬菌)による白癬についてみていきます。

 白癬は従来、症状から以下のように分類されていました。

 ・表皮や爪、毛包に限局する浅在性(せんざいせい)白癬……頭部白癬、体部白癬(小水疱(すいほう)性斑状白癬)、頑癬(がんせん)、足白癬(汗疱状(かんぽうじょう)白癬)、爪(つめ)白癬など

 ・真皮から深層に強い炎症症状が起こる深在性(しんざいせい)白癬……ケルスス禿瘡(とくそう)、白癬菌性毛瘡(もうそう)、白癬菌性肉芽腫(にくげしゅ)など

 しかし近年では、発症部位によって頭部白癬、顔面白癬、体部白癬股部(こぶ)白癬、陰嚢(いんのう)白癬、手白癬足白癬爪白癬などに分ける欧米式分類にならう傾向にあります。

 体部白癬ゼニたむし

 体や手足にできる浅在性白癬で、頭部、手のひら、足の裏、陰嚢、陰股部を除く部位の白癬をいいます。ステロイド薬を外用している人に多く、原因菌は猩紅色菌(しょうこうしょくきん)であることが多いのですが、近年、犬猫に寄生しているイヌ小胞子菌(しょうほうしきん)による患者さんが増えています。

 比較的強いかゆみを伴う輪状に配列する発疹で、小さな水ぶくれ(小水疱)、紅いブツブツからなります。中心にはフケ状のものが付着し、病気が治ったようにみえるので、これを“中心治癒傾向がある”と表現します。

 後述する股部白癬ほど皮膚が硬く厚くなく、色素沈着も強くありません。イヌ小胞子菌の場合は感染力が強く、露出部に小型の輪状の発疹が多発します。

 股部白癬いんきんたむし

 頑癬ともいい、太ももの内側(陰股部)にできる浅在性白癬です。夏季に、男性に多くみられ、時に集団発生することもあります。原因菌は、大部分が猩紅色菌ですが、まれに有毛表皮糸状菌によることもあります。

 中心治癒傾向がある境界鮮明な輪状の湿疹様の発疹で、激しいかゆみがあります。中心部の皮膚は厚く硬くなり、色素沈着がみられ、辺縁は紅色丘疹が輪状に配列、融合して、堤防状の隆起を形成します。陰股部、臀部(でんぶ)に生じやすく、まれに下腹部にまで及ぶこともあります。

 足白癬水虫

 足にできる浅在性白癬で、最も頻度の高い真菌症です。主に、足底に小水疱ができる小水疱型(汗疱型)、足の指の間にできる趾間(しかん)型、足底全体に角化のみられる角質増殖型に分類されます。

 小水疱型

 足底や足縁に小水疱や紅色丘疹ができるか、または皮がむけ、強いかゆみがあります。

 趾間型

 足の指の間の皮がむけ、白くふやけたようになります。親指から4番目の指と5番目の指の間によく発症します。

 角質増殖型

 足底全体の角質が厚くなり、皮がむけ、あかぎれも生じます。

 爪白癬爪の水虫

 足白癬を放置していると、白癬菌が爪を侵し、爪白癬になります。爪にできることはまれと従来いわれていましたが、最近の統計によると足白癬をもつ人の半分が爪白癬ももっていることがわかりました。高齢者に多くみられます。

 爪の甲の肥厚と白濁を主な症状とし、自覚症状はありません。まれに爪の甲の点状ないし斑状の白濁のみのこともあります。陥入爪(かんにゅうそう)の原因のひとつにもなりますが、一般にカンジダ症と異なり、爪の周りが赤くなることはまれです。

検査と診断

 ふけや水疱部の皮膚、爪、毛を水酸化カリウムで溶かし、顕微鏡で観察する方法(KOH法)が一般的で、時に培養を行って、菌の同定を行うこともあります。手足に水ぶくれがみられる汗疱(かんぽう)との区別が必要です。

治療の方法

 抗真菌薬の外用が一般的ですが、広範囲のもの、抗真菌薬でかぶれるもの、爪白癬では内服療法を行います。

 外用は、手足では4週間、そのほかは2週間で症状が改善しますが、皮膚が入れ替わる数カ月間の外用が必要です。爪白癬の場合、少なくても3~6カ月間の内服が必要です。

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