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皮膚の病気:ウイルス感染の皮膚病

帯状疱疹

たいじょうほうしん、Herpes zoster

安元 慎一郎

どんな病気か

 皮膚に帯状に配列する紅斑(こうはん)と小水疱(しょうすいほう)、およびその部分に一致する神経痛様の疼痛を示す病気です(図59)。

原因は何か

 前項で述べた水痘(すいとう)(みずぼうそう)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染によって発症します。このウイルスは、水痘が治ったあとも三叉神経節(さんさしんけいせつ)あるいは脊髄後根神経節(せきずいこうこんしんけいせつ)に潜伏しています。このウイルスが、何らかのきっかけで再活性化して発症するのが帯状疱疹です。

 水痘になったあとに帯状疱疹を発症するまでの期間は人によりさまざまで、幼小児期や青年期にもみられますが、一般には50歳以上の高齢者に頻度が高くなります。膠原病(こうげんびょう)などの基礎疾患がなければ一生に2回以上、帯状疱疹にかかることはまれです。

 誘因としては加齢、免疫抑制状態、過度の疲労などが知られています。

症状の現れ方

 罹患部位の神経痛のような疼痛が初発症状で、2~3日後には、主に神経の走行に沿って分布する紅斑と小水疱が現れてきます。水疱は破れてびらんとなり、潰瘍を形成したのち痂皮(かひ)(かさぶた)を付着するようになって治ります。

 皮膚病変の軽快とともに疼痛も軽減しますが、皮膚病変が治ったあともがんこな疼痛が残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)(コラム)と呼ばれます。

 合併症としては、三叉神経領域の帯状疱疹に顔面神経の麻痺を伴うラムゼイ・ハント症候群などがあります。

検査と診断

 神経の走行に沿って広がる小水疱の多発がみられれば、診断は容易です。鑑別を要する場合は、皮膚の病変部から蛍光(けいこう)抗体法でVZV抗原を検出します。

治療の方法

 治療の中心となるのは、抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)、バラサイクロビル(バルトレックス)、ファムサイクロビル(ファムビル)などの使用です。

 種々の検討から、皮膚病変の出現後72時間以内に抗ウイルス薬を使用すれば、皮膚病変と疼痛を早期に軽減できるとされています。また、最も重要な後遺症である帯状疱疹後神経痛の発症率も、低下させることができます。

 治療の目標は、帯状疱疹後神経痛を残さないことです。病初期から疼痛の程度や性質をよく観察するとともに、必要であれば十分な疼痛対策(薬物療法、理学療法など)を行います。

病気に気づいたらどうする

 神経痛様の疼痛のみで皮膚の病変がみられない時期では、神経痛との区別は不可能で、皮疹の出現によって初めて帯状疱疹と診断されます。皮膚の病変に気づいたら、なるべく早期に医療機関(皮膚科、麻酔科など)を受診してください。

 水疱内には、水痘にかかったことのない人に感染しうるVZVが存在するので、他人へうつさないような注意が必要です。

関連項目

 水痘帯状疱疹後神経痛(コラム)

図59 帯状疱疹
帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)

 帯状疱疹の皮膚病変が治ったあとも、罹患(りかん)部位に残る神経痛様の疼痛です。

 一般には、帯状疱疹発症後3カ月を経過したあとも残る疼痛を指しますが、1カ月後あるいは6カ月後とするものもあります。帯状疱疹急性期の疼痛に引き続いて痛みを訴えるため、帯状疱疹後神経痛と急性期の疼痛を区別せず、総称して帯状疱疹関連痛(たいじょうほうしんかんれんつう)と呼ぶこともあります。

 帯状疱疹後神経痛が残る危険因子としては、高齢者、重症の皮膚病変がある帯状疱疹、急性期からのアロディニアなど神経原性疼痛の存在などが知られています。

 治療としては、神経ブロックなどの理学療法や、三環系抗うつ薬などの薬物療法が有効とする研究もありますが、有効率の高い決定的な治療法は現在のところありません。

安元慎一郎

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