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皮膚の病気:ウイルス感染の皮膚病

水痘(みずぼうそう)

すいとう(みずぼうそう)、Chickenpox

安元 慎一郎

どんな病気か

 小児期によくみられる急性熱性発疹症のひとつで、全身に散らばって分布する小水疱(しょうすいほう)を主体とする発疹が生じる病気です。近年、日本では成人の抗体保有率が低下し、成人でもしばしばみられます。

原因は何か

 水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(VZV)の初感染(免疫のない人に初めて感染すること)によって発症します。感染様式は経気道感染です。

 VZVは、水痘が治っても三叉神経節(さんさしんけいせつ)や脊髄後根神経節(せきずいこうこんしんけいせつ)に潜伏し、一生すみつきます。一部(20~30%)では、主に加齢などの要因によりVZVの再活性化が起こり、帯状疱疹が発症します。

症状の現れ方

 VZVの潜伏期間は約14日です。突然の発熱とともに、全身に小紅斑(しょうこうはん)あるいは丘疹(きゅうしん)が散らばって現れ、すぐにその中心部に小水疱が形成されます。皮疹(ひしん)は次第にびらんとなり、痂皮(かひ)(かさぶた)を形成して2~3週間で治ります。

 水痘の合併症としては、皮膚病変部の二次的な細菌感染が最も多くみられます。ほかにまれなものとして肺炎脳炎髄膜炎(ずいまくえん)などが知られています。

検査と診断

 水痘の典型例では多くの場合、その皮膚症状から容易に診断できます。

 非典型例でほかの病気との区別を要する場合や、早期に診断を確定する必要がある場合などには、水疱の底にある細胞を採取して蛍光(けいこう)抗体法を用いてVZV抗原を検出します。

 また、抗体検査を水痘の患者さんに行えば、VZVの初感染であることが確認できます。

治療の方法

 乳幼児期の水痘は軽症である場合が多いので、非ステロイド性解熱鎮痛薬あるいは抗ヒスタミン薬と、安静などによる対症的な治療を行います。年長児あるいは成人などでは、比較的に重症化することが多いので、抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)あるいはバラサイクロビル(バルトレックス)の内服を行います。

 悪性腫瘍やその他の基礎疾患により免疫状態が低下している場合では、致死的になることがあるので、入院したうえでアシクロビルあるいはビダラビン(アラセナA)の点滴静脈注射が行われる場合があります。水痘に対するアシクロビルの効果については、その有用性を検討した多数の報告があり、十分な根拠があります。

 予防手段としては、水痘ワクチンが使用されます。水痘ワクチンは弱毒化生ワクチンであり、接種により約90%程度の発症阻止効果が報告されています。重い副作用はほとんど発生していません。

病気に気づいたらどうする

 発熱とともに次々と生じてくる小水疱に気づいたら、医療機関(皮膚科、小児科など)を受診します。医療機関では診断を確定するとともに、抗ウイルス薬による治療を行うかどうか決定します。年長児や成人、水痘の重症化につながる基礎疾患をもっている場合などは、なるべく早期に治療を始める必要があります。

 他人への伝搬力が強いので、すべての皮疹がかさぶたになるまで通学通勤はひかえます。家族に水痘にかかったことのない人がいる時には、早急(潜伏期間内)に水痘ワクチンを接種すると発症を阻止できることが多いといわれています。

関連項目

 帯状疱疹

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