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皮膚の病気:細菌感染で起こる皮膚病

丹毒

たんどく、Erysipelas

多田 讓治

どんな病気か

 連鎖球菌の感染によって起こる皮膚の浅いところ(真皮(しんぴ))の化膿性炎症です。皮膚の浅いところに生じた蜂窩織炎(ほうかしきえん)ともいえます。高齢者や免疫力の低下した人に多く発症します。

原因は何か

 化膿連鎖(れんさ)球菌によってよく起こります。菌は皮膚の表面から真皮内に入り炎症反応を生じますが、他の部位から血液を介して菌が真皮に達し生じることもあります。手術のあとや局所のはれ(浮腫(ふしゅ))なども誘因として重要です。

症状の現れ方

 突然、高い熱、悪寒(おかん)、全身の倦怠感(けんたいかん)を伴って、皮膚に境のはっきりしたあざやかな赤い色のはれが現れ、急速に周囲に広がります(図51)。表面は皮膚が張って硬く光沢があり、その部分は熱感があって触れると強い痛みがあります。水疱(すいほう)や出血斑を伴うこともあります。

 顔(とくに頬・耳・眼のまわり)、下肢、上肢、手足に多くみられ、近くのリンパ節がはれて痛みがあるのが普通です。

 適切な治療により、1週間前後で表面の皮がはがれてきて治りますが、正しい治療が行われないと、敗血症(はいけつしょう)、髄膜炎(ずいまくえん)、腎炎などを合併して重篤になることがあります。同じ部位に習慣性に再発を繰り返す場合を習慣性丹毒と呼び、最近増えていますが、慢性のリンパうっ滞が誘因となります。

検査と診断

 血液検査では、白血球が増え、CRP(炎症検査の項目)の上昇、赤沈の亢進がみられます。連鎖球菌に対する抗体(ASO、ASK)が上昇することがあります。蜂窩織炎との区別は必ずしもはっきりしませんが、蜂窩織炎は丹毒より深い部分の皮下脂肪組織での化膿性炎症で、主に黄色ブドウ球菌によって起こります。壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)では、皮下脂肪組織から下の筋膜が病変の場となり、急速に広がって、ショックなど非常に重篤な病状になります。

 そのほか、接触皮膚炎(かぶれ)や虫刺されなどとも区別が必要ですが、それぞれの症状から区別できます。

治療の方法

 主に化膿連鎖球菌が原因ですから、ペニシリン系抗菌薬の内服または注射が第一選択になります。再発予防や腎炎の併発も考えて、よくなってからも約10日間は抗菌薬を内服します。丹毒の部分は安静にして冷湿布をします。

図51 丹毒(左の頬)

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