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皮膚の病気:細菌感染で起こる皮膚病

せつ(おでき)、癰

せつ(おでき)、よう、Furuncle (Boil), Carbuncle

多田 讓治

どんな病気か

 せつは、毛包(もうほう)および毛包周囲の細菌感染によって起こり、膿瘍(のうよう)(皮膚のなかにうみがたまった状態)となって炎症は皮下の脂肪組織まで及ぶことがあります。顔にできたおできを面疔(めんちょう)と呼びます。癰は、隣同士の数個以上の毛包や毛包の周囲に同時に細菌感染が生じたものです。

 毛包炎・せつが一度に混じってたくさんできたり、これらが次々と出る場合を、せつ腫症(せつしゅしょう)と呼びます。

原因は何か

 皮膚の小さい傷や皮膚が湿った状態が長く続くと、それが誘因となり、黄色ブドウ球菌が毛包・脂腺に感染して増殖し、炎症が周囲の皮膚組織に広がります。黄色ブドウ球菌がつくる種々の毒素によって膿瘍ができます。

症状の現れ方

 せつ(図40)は、炎症が毛包の深いところまで及んで、皮膚が円錐状に少しとび出した状態になり、熱をもった痛みのある赤い塊です。

 大きくなると頂点に膿疱(のうほう)ができ、次第にぶよぶよと軟らかくなり、頂点からうみが流れ出して皮膚に穴があいたようになりますが、徐々に赤み・痛み・うみも減り、治ってきます。

 癰(図41)は、せつより深い部分から始まって複数の毛包が同時に侵されるので、皮膚がドーム状に盛り上がった赤み・痛みの強い塊となります。大きくなるにつれ、ぶよぶよと軟らかくなって複数の点からうみが出てきます。首の後ろ・肩・お尻・太ももにできることが多く、癰では熱も出ます。

検査と診断

 うみから常に黄色ブドウ球菌が、時に表皮ブドウ球菌も検出されます。癰では、血液検査で白血球数が増え、CRP(体のなかの炎症反応を調べる検査)が陽性になります。小さいせつは毛包炎とは区別できないことがあります。粉瘤(ふんりゅう)に二次的に感染が起こると、せつや癰と区別できないことがあります。

治療の方法

 黄色ブドウ球菌によく効く抗菌薬(化膿止め)を内服し、ぶよぶよとした膿瘍となったものは針を刺したり切開してうみを出します。癰では抗菌薬の点滴注射が必要です。せつ腫症では鼻の粘膜の細菌培養も行って、黄色ブドウ球菌が発見されれば菌を除く処置をします。

病気に気づいたらどうする

 小さいものがたまにできる程度であれば気にすることはありません。毛包炎ができるきっかけと同じような誘因がないかを考えてみましょう。

 思いあたる誘因もなく、長く続くようであれば皮膚科専門医に相談しましょう。

図40 せつ(腰部)
図41 癰(左のお尻)

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