日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

家庭の医学

血液・造血器の病気:貧血と多血症

赤芽球癆

せきがきゅうろう、Pure red cell aplasia (PRCA)

中尾 眞二

どんな病気か

 赤芽球癆は赤血球の産生が選択的に抑制された結果、高度の貧血を起こす疾患です。病態や経過によって表4のように分類されます。

原因は何か

 先天性赤芽球癆(Diamond‐Blackfan貧血)は乳幼児に発症します。多くは散発例ですが、10~25%は常染色体優性または劣性の遺伝性です。

 表4の急性型二次性のうち、溶血性貧血の無形成性クリーゼは、ヒトパルボウイルスB19(伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)〔りんご病〕の原因ウイルス)というウイルスが赤血球系の造血前駆細胞(ぞうけつぜんくさいぼう)(赤血球だけに分化する能力をもった一種の幹細胞)に感染することによって発症します。

 薬剤性の原因には、坑てんかん薬、抗生物質、抗炎症薬、降圧剤などがあります。

 慢性赤芽球癆では、胸腺腫(きょうせんしゅ)を合併する例があること、Tリンパ球型の顆粒(かりゅう)リンパ球増多症(きゅうぞうたしょう)(GLPD)に赤芽球癆を合併しやすいこと、免疫抑制療法によって多くの例で赤血球の造血が回復することなどから、免疫学的機序による赤血球系造血前駆細胞の抑制が赤芽球癆発症のメカニズムと考えられています。

症状の現れ方

 顔色不良、息切れ、動悸(どうき)、倦怠感などの貧血症状で発症します。

検査と診断

 末梢血では、高度の正球性正色素性貧血と網赤血球の著しい減少がありながら、白血球数と血小板数は正常であることが特徴です。GLPDに合併する赤芽球癆では顆粒リンパ球の増加がみられます。

 骨髄塗抹標本(こつずいとまつひょうほん)では赤血球の元になる赤芽球がほとんどみられません。

 胸部X線や胸部CT検査を行うと、成人慢性赤芽球癆の約9%に胸腺腫が認められます。血液検査では抗核抗体、坑DNA抗体、リウマチ因子などが陽性になる例があります。

治療の方法

 胸腺腫を認める例では、胸腺摘出術によって約半数に改善がみられます。

 胸腺腫のない例に対しては、シクロスポリンの単独またはプレドニゾロンとの併用療法が行われます。7~8割で寛解(血球数が正常化して安定した状態)がえられますが、薬剤の中止は困難とされています。

 GLPDに併発する例にはシクロホスファミドが奏効します。

 急性型の多くは自然に改善します。

表4 赤芽球癆の分類

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「家庭の医学」検索サービスは、「六訂版 家庭医学大全科」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

◎日経Gooday(グッデイ)の免責事項必ずお読みください

日経Gooday マイドクター 登録初月は無料!

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

明日は変えられる。 提供:アステラス製薬

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について