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腎臓と尿路の病気:腎臓の病気

血液浄化療法(透析)

けつえきじょうかりょうほう(とうせき)、Blood purification therapy (Dialysis)

福井 光峰、富野 康日己

血液浄化療法とは

 血液浄化療法は、透析療法ともいわれています。

 透析とは、2つの濃度の異なる液体を、ごく小さな穴のあいた膜(半透膜)で仕切り、この穴を通ることのできる物質が濃度の高いほうから低いほうへ移動する拡散と、液に圧をかけて物質を移動させる限外濾過(げんがいろか)によってなされます。

 透析療法の目的は、尿毒性物質や余分な水分の除去と、体内に不足している物質(カルシウム、アルカリ化薬)を補うことです。

 透析療法には、血液を体の外部にある透析器(ダイアライザー)へ導き、浄化された血液を体にもどす「血液透析(けつえきとうせき)」と、患者さん本人のおなかの腹膜を透析膜として利用する「腹膜透析(ふくまくとうせき)(CAPD)」があります。

透析を始めるのはいつか

 尿毒症症状がその他の治療で改善しない時には、この血液浄化療法を開始(導入)します。

 急性腎不全の場合は表17に示した基準が参考となりますが、多臓器不全(たぞうきふぜん)(腎臓以外にも心臓、肝臓、脳神経、肺、血液などの臓器障害が組み合わさっている状態)の場合は、障害を起こした臓器が増えるほど生命予後が悪くなるため、表で示した基準よりも早期に透析療法を開始することがあります。

 慢性腎不全では、1991年の厚生科学研究・腎不全医療研究班の示した基準が用いられます(表18)。この基準の特徴は、臨床症状、腎機能、日常生活障害度の3項目から評価していることで、腎機能(血清クレアチニンの値)だけで判断はしていません。

血液浄化療法の準備

 血液透析では、大量の血液を体外へ導くために前腕の静脈と動脈を結び合わせる内シャントと呼ばれる手術を行います。緊急で行う場合は、透析用のカテーテル(柔かく太めで、長く置くことができる注射針)を体幹部の太い血管に留置し、透析を開始することもあります。

 腹膜透析では、おなかの中にCAPDカテーテルと呼ばれる管を留置する手術を行います。

透析は一生続けるのか

 透析療法は、あくまでも尿毒素(コラム)を取り除くだけで、腎不全の病態がよくなったわけではありません。したがって、慢性腎不全から透析療法を開始した場合は、通常、腎移植などの治療を行わないかぎり一生続けなくてはなりません。

 しかし、急性腎不全で透析療法を行った場合は、腎不全の原因となった病気が改善すれば透析をやめることが可能な場合があります。

血液透析と腹膜透析の選択

 血液透析と腹膜透析はそれぞれ一長一短ありますが、身体的に腹膜透析が可能であるならば、どちらを選ばれてもよいと思います。血液透析は週3回(1回3~5時間)ほど病院に通院し、病院のスタッフの管理のもとで透析を行います。

 腹膜透析は、通常1日4回(1回30~40分)自宅や職場で透析液の交換を患者さん自身で行います。つまり自己管理で透析療法を行うことになります。どちらを選ぶかは、患者さんの生活環境や性格によることもあると思います。

 腹膜透析、血液透析のどちらかを選択したとしても、途中で変更が可能なこともあります。主治医と家族をまじえてよく相談して、納得のいく治療法を選択してください。

表17 急性腎不全の透析導入基準
表18 慢性腎不全の透析導入基準
尿毒素(にょうどくそ)

 腎不全の進行とともに、蛋白質からの窒素(ちっそ)代謝物などの代謝物質が蓄積します。これら蓄積された物質のうち、単独または組み合わさって尿毒症(にょうどくしょう)症状を引き起こすと考えられている物質を、尿毒素と呼んでいます。

 分子量により、

 ①小分子量物質(分子量300以下:尿素、尿酸、クレアチニンなど)

 ②中分子量物質(分子量300~1万2000:ポリアミン類、副甲状腺ホルモン、β(ベータ)2‐ミクログロブリンなど)

 ③高分子量物質(分子量1万2000以上:ミオグロブリンなど)

 に分類されています。

 数多くの物質が尿毒素としてあげられていますが、現状ではどの尿毒素がどのような尿毒症症状を表すのかについては、はっきりしていません。

福井光峰

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