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食道・胃・腸・肛門の病気:胃・十二指腸の病気

胃粘膜下腫瘍(良性)

いねんまくかしゅよう(りょうせい)、Gastric submucosal tumor (benign)

千葉 勉、伊藤 俊之

どんな病気か

 胃粘膜下腫瘍は、胃の粘膜層よりも深いところにある胃壁内の病変によって、粘膜が胃の内腔に突出した隆起のことをいいます。表面は平滑なことが多いのですが、大きなものではくぼみや潰瘍がある場合もあります。胃粘膜下腫瘍という病名のとおり、多くは腫瘍性ですが、そうでない疾患も含まれています。また、病変は悪性の場合もありますが、ここでは良性の病変について取り上げます。

原因は何か

 良性の病変では、平滑筋腫(へいかつきんしゅ)、迷入膵(めいにゅうすい)、神経性腫瘍(しんけいせいしゅよう)などの頻度が高くなっています(表4)。原因はさまざまで、不明なものから寄生虫などによる好酸球性肉芽腫(こうさんきゅうせいにくげしゅ)のようなものもあります。

症状の現れ方

 一般に、腫瘍が小さい場合はほとんど無症状で、多くは健診などで偶然発見されていますが、時に心窩部痛(しんかぶつう)や腹部不快感を伴う場合があります。悪性では腫瘍が崩れて出血し、吐血や下血を生じることがあります。

検査と診断

 通常、胃X線造影検査や内視鏡検査で診断します。表面に潰瘍などを形成して病変が露出している場合には、ある程度は病変の一部を採取して調べる生検で病理組織診断が可能ですが、多くは粘膜の下に病変があるために表面だけをかじりとる通常の生検ではなかなか診断できません。そのため、超音波内視鏡検査で病変の性質を詳しく調べることがあります。

 最近では超音波内視鏡を使って生検が行えるようになってきました。そのほかには腹部超音波や腹部CT検査などがありますが、3㎝以上の病変でないと診断が困難です。

治療の方法

 大きさが4~5㎝以上になると悪性腫瘍であることが多いため手術が行われますが、それより小さい場合には一般に定期的に経過観察をすることになります。経過観察中に大きさや形態に変化がみられるようであれば、手術も考慮されます。

 通常、手術は腫瘍の部分だけを切除する胃部分切除術が行われます。また、病変が胃壁の筋層よりも浅い場所にあれば、内視鏡での摘出が可能な場合もあります。

病気に気づいたらどうする

 まず内科か外科を受診して、手術が必要なのか、それとも経過観察でよいのかどうかを診断してもらいます。経過観察中はとくに生活上の制限はありません。

表4 胃粘膜下腫瘍(良性)の分類

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