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耳・鼻の病気:中耳の病気

鼓膜炎

こまくえん、Myringitis

菅澤 正

どんな病気か

 外耳と中耳の境界である鼓膜に、限局した炎症が起きている状態です。鼓膜に水疱(すいほう)の生じる水疱性鼓膜炎と、肉芽(にくげ)やびらんの生じる肉芽腫性(にくげしゅせい)鼓膜炎に分けられます。

 子どもよりも20~40代の成人女性に多く、両側の耳に起こることはまれです。

 中耳炎(ちゅうじえん)と似た症状ですが、耳鼻咽喉科専門医の診察を受け、顕微鏡やファイバースコープで鼓膜を拡大して診察を受ければ、容易に診断できます。

水疱性鼓膜炎(すいほうせいこまくえん)

 水疱性鼓膜炎は、インフルエンザなどのウイルス感染が原因と疑われていますが、まだはっきりしていません。

 激しい耳の痛みが特徴で、耳だれはあまりありません。時々、中耳炎を合併することもあり、その場合は難聴(なんちょう)や発熱を訴えます。

 鼓膜に水疱が認められるので、すぐ診断がつきます。ただ、まれに内耳に影響を与えて、感音難聴(かんおんなんちょう)を起こすことがあるので、耳鳴りなどの症状が伴うようなら、注意が必要です。ただちに聴力検査を受けてください。

 治療は抗生剤、鎮痛薬の内服です。痛みの強い場合は、痛みを緩和するために水疱をつぶすことがありますが、通常、点耳(てんじ)などの局所処置は必要ありません。感音難聴が生じた場合は、突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)に準じて、副腎皮質ステロイド薬、ビタミン剤、循環改善薬などが使われます。

肉芽腫性鼓膜炎(にくげしゅせいこまくえん)

 細菌感染が原因といわれていますが、まだはっきりしません。痛みは軽度ですが、がんこな耳だれが続きます。耳の詰まった感じや耳鳴りを訴える人もいます。

 顕微鏡で観察すると20%に小穿孔(しょうせんこう)(穴)を認め、中耳の慢性炎症の影響を受けていることがあります。鼓膜を観察すれば診断は簡単ですが、中耳疾患を見逃さないよう、疑わしい場合は側頭骨CT検査なども行われることがあります。

 治療は耳だれを調べて起炎菌を検出し、その感受性検査の結果から、適切な抗生剤を耳浴(じよく)、点耳などで局所投与します。

 これで効果がない場合には肉芽を切除し、トリクロリールなどの薬品で焼灼(しょうしゃく)(焼くこと)する場合もあります。薬物療法のみでなく、適切な焼灼などの局所処置が重要で、週1・2回根気よく繰り返すことで徐々に軽快してゆきます。

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