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家庭の医学

運動器系の病気(外傷を含む):骨・関節の外傷(けが)

大腿骨骨幹部骨折

だいたいこつこっかんぶこっせつ、Femoral shaft fracture

王寺 享弘

どんな外傷か

 大腿骨骨幹部とは大腿骨の中央部で、皮質骨(X線写真で白く見える固い部分)で囲まれている円筒形のほぼまっすぐか、軽く弯曲(わんきょく)している部分です。

 小児と成人でけがの原因が異なります。5~6歳以下の小児では虐待を含む転落が、15歳前後では交通事故が多くみられます。成人では、交通事故や転落などの高エネルギーによるものが多く、多発性の骨折を合併することもあります。

症状の現れ方

 大腿部に強い痛みがあり、歩行はできません。さらに、大腿骨に付着している筋肉群の作用により骨折部が大きくずれて、明らかな変形がみられます。

検査と診断

 前後左右の2枚のX線写真で診断はつきます。

治療法

 小児と成人で異なります。12歳までの小児は、保存的治療(手術以外の治療)を行います。ずれがあれば、牽引したりしてなるべく元にもどして骨折部の癒合を待ちます。年少ほど多少のずれがあっても、成長につれて自然に矯正される力がはたらきます。

 中学生以上であれば、早期の社会復帰を図るために手術を行います。骨髄のなかに太い釘(髄内釘(ずいないてい))を挿入して、上下に数本のネジでしっかりと固定するやり方が一般的です(図22)。この方法では、手術の翌日から歩くことが可能です。まれにプレートとネジで固定することもあります。また、開放骨折や骨折部が感染している時には、大きなネジを上下に通して皮膚の外で骨折部を安定させる創外固定(そうがいこてい)といった方法を行います。

合併症はどんなものか

 小児では、成長につれて足の長さの違いがみられることがあります。通常は骨折した足のほうが長くなることが多く、骨折の治療が終了しても、骨の成長が終了するまでは定期的な診察を受ける必要があります。

 また、変形などの後遺症が残るような骨折のずれが残った場合には、足の変形(横に曲ったり、ねじれたりする変形)がみられることがあります。

応急処置はどうするか

 大腿部が大きく変形して歩行できないため、すぐに整形外科へ連れていってください。

図22 髄内釘と上下のネジによる骨接合術

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