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運動器系の病気(外傷を含む):先天性の病気

〈上肢〉先天性筋性斜頸

〈上肢〉せんてんせいきんせいしゃけい、Congenital muscular torticollis

奥住 成晴

どんな病気か

 「斜頸」とは首から頭が左右いずれかに傾いている状態です。いくつかの原因がありますが、このうち、「筋性斜頚」とは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)(首の前側の左右にある筋肉)の一方が硬く緊張しているために起きる斜頚です。出生時にすでに異常がみられるために「先天性」とされます。

原因は何か

 妊娠末期に、母体内(産道)で頭や首に異常な圧力が加わることによって起きると考えられています。

症状の現れ方

 通常は、出生直後(数日)に「首が傾いている」「片方ばかり向いている」「首にしこりがある」といった症状で気づかれます。軽い場合は出生直後に気づかれず、生後数カ月でわかる場合もあります。

 片方の胸鎖乳突筋の緊張が強いと、首から頭がそちら側に傾き、顔が反対側を向く位置(斜頸位)をとります。しこりは胸鎖乳突筋の一部が、小指の先ほどの大きさにふくらんだ状態です。その他、顔の非対称、頭の後ろ側の非対称がみられることも少なくありません。

検査と診断

 斜頸の状態(斜頸位)、触診での胸鎖乳突筋の緊張の左右差、首の動きの制限(反対側に傾けにくい、同じ側に向けにくい)、しこりを触れるなどの視診や触診所見から診断できます。しこりは明瞭でない場合もあります。

治療の方法

 通常は数カ月で自然治癒するので治療を急ぐ必要はありません。かつては、筋肉やしこりのマッサージなどを盛んにやったため、 かえって悪くなる場合が多くみられたという歴史があります。同じ側に顔を向きやすくするために、反対側の背中にタオルを入れて少し高くしてあげるのがよいでしょう。

 大多数は、生後半年から1歳までにほとんど正常に戻ります。すなわち、しこりが消え、筋緊張の左右差がなくなり、首の動きが左右同じようになります。

 1歳を過ぎても強い症状が残る場合は少ない(20人に1人ほど)のですが、2歳を過ぎても症状が強い場合は、時に手術が必要になります。手術が必要かどうか、どういう手術をするのか、時期(年齢)は、といった点については専門医とよく相談して決定します。

病気に気づいたらどうする

 出生後に疑いをもったら、近くの小児科や整形外科に受診し、とくに手術の必要性を判断するような場合は、専門医を紹介してもらうようにしてください。

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