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脳・神経・筋の病気:脊髄・末梢神経・筋の病気

HTLV‐1によるミエロパチー(HAM)

エイチティーエルブイ‐1によるミエロパチー(HAM)、HTLV-1 associated myelopathy (HAM)

吉井 文均

どんな病気か

 レトロウイルスの一種であるヒトTリンパ球好性ウイルスⅠ型(HTLV‐1)の感染により脊髄(せきずい)に障害が起こる病気です(HTLV‐1関連脊髄症:HAM)。抗HTLV‐1抗体陽性者の頻度の高い地域(九州、沖縄など)では、本症の有病率が高くなります。

 成人での発症が一般的ですが、若年の発症例もあります。男女比は1対2~1対2.5で女性に多く発症します。

原因は何か

 感染経路は2~3割の患者が輸血由来であり、それ以外の大半は母から子どもへの垂直感染で、一部は性交(男→女)で感染します。しかし、脊髄にウイルスが直接的に感染している証拠はなく、おそらく自己免疫的機序(仕組み)により発症するものと考えられています。

 好発部位である胸髄中下部の外側皮質脊髄路(がいそくひしつせきずいろ)(運動神経のある部分)を中心に脱髄(だつずい)(髄鞘(ずいしょう)が壊れる)の所見がみられます。輸血後に発症する場合は、6カ月~3年で発症します。

症状の現れ方

 ゆっくり進行する痙性(けいせい)歩行障害(足のつっぱった感じ)が主症状であり、しばしば排尿障害と軽度の感覚障害を伴います。重症例では四肢(とくに下肢)の脱力と筋萎縮(きんいしゅく)が起こります。

 発症後の症状の進行には個人差がみられます。また、病原ウイルスがTリンパ球に感染するため、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併することがあります。

検査と診断

 髄液(ずいえき)ならびに血清の抗HTLV‐1抗体が陽性であれば診断がつきます。また、髄液や末梢血塗抹標本に成人T細胞性白血病(ATL)様細胞を認めることがありますが、それが腫瘍のように増殖することはありません。

治療の方法

 副腎皮質ステロイド薬の投与やアザチオプリンなどの免疫抑制薬の投与で、しばしば症状の改善がみられます。

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