日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

家庭の医学

うつなど、心の病気:小児期・青年期に発症する行動・情緒障害

選択性緘黙症

せんたくせいかんもくしょう、Selective mutism

根岸 敬矩

どんな病気か

 本症の基本的な特徴は、言語理解、発語などの言語能力は正常であるのに、一部の生活場面(たとえば学校や友だちとの遊びの場面)で沈黙を続けることにあります。発症となるきっかけが明らかでないことが多く、入園や入学などにより気づくことが多いものです。

 一般に、発症は5歳以前が多く、有病率は1%以下で、全児童の0.2%前後といわれています。しかし、家庭では普通にしゃべっていることと、学校では周囲に迷惑を及ぼすことがほとんどないために、問題視されずにいることも少なくないようです。男児より女児にやや多い傾向にありますが、その理由は不明です。

症状の特徴と診断

 基本的な特徴はすでに述べましたが、ここでは、治療経過などからコミュニケーション意欲の強さの程度により分類されている3つのタイプについて触れます。

 タイプⅠは、家族以外にコミュニケーションを自ら求める、神経症的不安に基づくタイプです。

 タイプⅡは、家族以外にコミュニケーションを自ら求める意欲に乏(とぼ)しく、性格や人格発達の未熟性に基づくタイプです。

 タイプⅢは、家族内外ともにコミュニケーションを拒否する傾向が強く、精神病的な問題をも含むタイプです。

 3つタイプのそれぞれの特徴などを一覧にしたので参照してください(表15)。実際の臨床での診断は、表16に示すような診断基準に従って行われています。

治療と対応

 本症の本質を対社会、対人間との交流障害と考えるなら、治療や対応の目標は、話すことよりもコミュニケーションの拡大と自我の発達を促進することになります。

 タイプⅠの治療は、患者さんである子どもの不安を理解し、意思や感情を安心して表出できるような環境づくりを目指した精神療法的なはたらきかけが重要になります。

 タイプⅡやタイプⅢでは、精神療法などになじみにくく、コミュニケーションも深まらず、家族関係の変化も乏しいケースが多い傾向にあり、よりきめ細かな生活療法的な援助が必要になります。また、時には発達障害や他の精神病性の障害との区別が必要になることもあるので注意しましょう。

 いずれにしても、本症の発生要因は、幼児期に起因することが多いようです。そこで、幼稚園や学校などの教育現場で、精神保健や心の発達の問題として、教育的な立場から早めに気づき、早めに対応することがポイントといえるでしょう。

表15 選択性緘黙症(症状と経過の特徴)
表16 選択性緘黙症の診断基準

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「家庭の医学」検索サービスは、「六訂版 家庭医学大全科」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

◎日経Gooday(グッデイ)の免責事項必ずお読みください

期間限定 日経Gooday マイドクター 登録月プラス1カ月無料キャンペーン 2017年9月1日~10月31日

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

明日は変えられる。 提供:アステラス製薬

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について