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お年寄りの病気:腹部の症状

急に下痢をした、下痢が続く

きゅうにげりをした、げりがつづく、Sudden diarrhea, Prolonged diarrhea

梶山 徹

どのような状態か

 下痢とは、便のなかの水分量が増加した状態ですが、急性の下痢と2週間以上続く慢性の下痢とでは、原因や対処の方法が異なります。

 下痢の原因としては、腸粘膜の水分分泌が亢進した場合や、腸の粘膜からの水分吸収が妨げられた場合、腸の運動が異常に激しくなった場合などがあります。そのほか、腸内細菌が異常に増殖した場合や、食物の消化や吸収が悪い時にも下痢をすることがあります。

必要な検査と疑われる病気

 急性の下痢では、細菌やウイルスなどが原因で起こる感染性下痢が重要ですが、感染性下痢は発熱や腹痛、吐き気などを伴うのが特徴です。便の細菌培養検査で診断しますが、ウイルス性の下痢では確定診断が困難です。

 発熱を伴わない急性の下痢は、たいてい非感染性下痢です。ほとんどは食べすぎなどによる食事性の下痢で、それ以外には冷たい牛乳を飲むと起こる乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)、エビやサバなどの魚介類や卵などの食品に対するアレルギー性下痢などがあります。また、血管が狭くなって腸に血が通いにくくなり(虚血(きょけつ))、出血を伴う急性の下痢を来す場合もあります。

 慢性の下痢では、炎症性の腸疾患や大腸がんなどの器質的病変の除外が、まず必要です。慢性下痢の約半数は、ストレスによる過敏性腸症候群という機能性異常です。慢性膵炎(すいえん)などの膵疾患や、胃がんなどでも消化不良から下痢を起こす場合があります。

 消化器疾患以外でも、糖尿病甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、婦人科や泌尿器系の病気などで下痢になることがあります。

家庭での対処のしかた

 下痢の原因がわからないままに、下痢止めを使って症状だけを止めてしまうのは好ましくありません。とくに急性の下痢は腸内の悪いものを速く排出しようとしている状態なので、下痢止めを使うことで症状が重くなり、治りが遅れる場合があります。発熱や腹痛、嘔吐などの症状を伴ったり、粘液やうみ、血液が便に混じったり、臭いや色のおかしい便が出る時は、内科を受診してください。

 下痢の場合は、体外に水分が失われるので水分補給が大切になりますが、同時にナトリウムやカリウムなどの電解質も失われるので、それらの補給も必要です。スポーツ飲料などが吸収もよくおすすめです。果汁飲料もよいのですが、腸への過度の刺激を避けるため、冷たすぎるものや柑橘類、炭酸飲料などはやめましょう。糖分補給も必要ですが、糖濃度が濃すぎるとかえって下痢を誘発します。

 食事は吸収がよく刺激の少ないものにします。とくに香辛料やアルコール、脂肪の多い食事、不溶性食物繊維、固すぎるものは避け、よく噛んで食べるようにします。緑黄色野菜はビタミンやミネラルが豊富なので、裏ごししたり柔らかく煮て食べます。また、一度に大食すると負担が大きいので、少量ずつにして食べる回数を増やしてください。

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