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お年寄りの病気:腹部の症状

おなかが張る

おなかがはる、Bloated abdomen

伊藤 俊之

どのような状態か

 おなかが実際に張る、あるいは張った感じがすることを、医学的に「腹部膨満感(ぼうまんかん)」といいます。原因としては胃腸内にガスや食物がたまった場合、おなかのなかに腫瘍などのできものができた場合、腹水や尿がたまる場合、おなかの壁にたくさん脂肪がついた場合などがあります。

 実際の張り(ふくらみ)が全体的か部分的か、発熱、痛み、嘔吐(おうと)はあるか、しこりを触れるか、便や尿は普通に出ているか、体位によっておなかの形が変わるか、などが診断を進めるうえで重要なポイントです。

必要な検査と疑われる病気

 おなかが張って嘔吐があり、便やガスが出なくなっておなかが痛んできたら腸閉塞(ちょうへいそく)、しこりを触れたらどこかの臓器の腫瘍、尿が出なくなって下腹部がふくらんできたら前立腺肥大症による尿閉、体を動かすと下腹部がふくらむ場合は腹水などの可能性が考えられます。

 腹部膨満感の原因を調べるには、まず血液・尿・便検査、腹部単純X線写真をはじめとして、腹部超音波、腹部CT、腹部MRI検査などを行います。さらに内視鏡検査や消化管X線造影検査、血管造影検査なども必要に応じて行われます。腹水が認められれば針で腹水の一部を採取して調べることもあります。

 なお、女性では卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)がおなかの張りの原因となることもあるので、婦人科の診察が必要な場合があります。

家庭での対処のしかた

 発熱や激しい痛みがある場合には、炎症または臓器の血流障害を伴っている可能性があり、緊急手術が必要な場合もあります。手当てが遅れると敗血症(はいけつしょう)になることもあるので、ただちに医師の診察を受けてください。

 おなかの張りとともに便やガスが出にくくなって便秘ぎみになったり、血便が出るようなことがあったら、早めに受診して腸を調べてもらいましょう。おなかの張りに体重減少や食欲不振、全身倦怠感(けんたいかん)などを伴うようであれば、腫瘍ができているかもしれないので、早めに消化器専門医を受診しましょう。

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「家庭の医学」検索サービスは、「六訂版 家庭医学大全科」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

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