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お年寄りの病気:腹部の症状

吐き気がある、嘔吐した

はきけがある、おうとした、Nausea, vomiting

木下 芳一

どのような状態か

 吐き気とは、上腹部を中心に起こる不快感のひとつであり、嘔吐しそうなムカムカとする感じをいいます。嘔吐は、胃内の食物や消化液を口から吐くことを意味します。

 吐き気や嘔吐は、①胃や腸に異常のある場合、②嘔吐中枢の存在する脳延髄(のうえんずい)に異常が起こった場合、③嘔吐中枢と関係の深い内耳に異常が起こった場合、④毒物や有害物質を飲み込んだ場合、⑤腎臓の病気などで体内に老廃物がたまった場合、などで起こりやすく、胃や腸以外の多くの病気でもよく起こる症状です。

必要な検査と疑われる病気

 胃や腸の病気は、ほとんどすべての病気で吐き気や嘔吐を起こす可能性があります。頻度の多いものとして胃炎胃潰瘍(いかいよう)があり、これらの病気を診断するには多くの場合、胃内視鏡検査が必要です。急に嘔吐を起こす胃腸の病気としては腸閉塞(ちょうへいそく)が代表的で、腹痛と嘔吐を来し、早急にX線検査を行って治療を始める必要があります。

 そのほか、中枢神経系(脳)の病気を疑う時には脳のCTを行うことになります。それ以外の病気では、血液検査や耳鼻科的な耳の検査が必要になることもあります。

家庭での対処のしかた

 吐き気、嘔吐があり、下痢や腹痛を伴っていれば胃腸の病気のことが多く、腸閉塞以外に胃炎や食中毒などの腸の感染症も多くみられます。吐き気や嘔吐が強く食事が食べられない場合や腹痛が強い場合は、医療機関への受診をすすめます。

 朝方に吐き気を伴わずに嘔吐が起こり頭痛を伴う場合には、脳神経系の異常によることが多く、脳出血脳腫瘍(のうしゅよう)のこともあるため、必ず医療機関を受診し頭部のCT検査などを受ける必要があります。

 腎臓や肝臓の病気、糖尿病の一部の例では吐き気や嘔吐を起こしますが、この場合は吐き気以外に症状のないことも多いため、これらの症状が3~4日以上続いたら、必ず医療機関を受診し、検査を受けましょう。

 寝たきりの高齢者の場合には、嘔吐したものを気管や肺に吸い込んでしまい呼吸困難となったり、肺炎を起こすことがあるため注意が必要です。

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