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お年寄りの病気:胸部の症状

咳・痰が多い、痰に血が混じる

せき・たんがおおい、たんにちがまじる、Increased cough and sputum, bloody sputum

石井 健男、木田 厚瑞

どのような状態か

 咳(せき)は、有害物質や細菌などを肺から出すための生理的な反応です。痰(たん)は、多すぎる肺の分泌液が口から出されたねばねばした液で、血痰(けったん)はこれに血が混ざったものです。

 風邪(かぜ)、肺炎(はいえん)や肺がんなどでは、咳や痰の頻度や程度が、病気の診断をつけるもとになります。咳は、急性あるいは慢性に分けられ、痰を伴うか否かで湿性(しっせい)と乾性(かんせい)に分けられます。痰は、膿(う)んでいるか(黄色くて汚いか)否かと量、血痰かどうかが重要です。

必要な検査と疑われる病気

 高齢者では普段から咳、痰をしていることが多く、原因となる病気を見逃すおそれがあります。元気な時との違いに注意して、少し症状が悪くなったらすぐに胸部X線撮影など、必要な検査をすべきです。

 急な咳や痰はウイルス性の気道感染で多く、膿んでいる痰の場合は細菌感染が多くみられます。この場合、痰をスライドグラスに塗って病原菌を顕微鏡で調べたり、病原菌を培養してチェックすることや、胸部X線撮影が必要です。

 いつも痰の出る咳をしている場合、細菌による肺炎気管支炎(きかんしえん)のほかに鼻汁が下にたれてくる場合(後鼻漏(こうびろう)症候群)などもあり、口を大きく開けた時、口の奥に見える中咽頭にねばねばした膿んだ液があるかに注意が必要です。たばこによる慢性閉塞性肺疾患(へいそくせいはいしっかん)(COPD)気管支拡張症も考えられます。

 痰のない咳をいつもしている場合は、間質性(かんしつせい)肺炎気管支喘息(ぜんそく)などに注意すべきです。胃食道逆流による咳・痰や薬の副作用による咳(高血圧の薬であるACE阻害薬など)も時々みられます。肺がんの場合もあるので、胸部X線撮影とともに、痰にがん細胞が含まれていないか顕微鏡で調べること(細胞診)も重要です。

 血痰の場合、肺がん肺炎気管支炎(一般細菌、結核菌)、気管支拡張症、肺塞栓症(はいそくせんしょう)などと同時に、僧帽弁狭窄そう/ぼう/べん/きょう/さくなどの心臓の病気も考える必要があります。耳鼻科的な検査が必要なこともあります。

家庭での対処のしかた

 高齢者の場合、咳・痰などの症状が軽いことが多く原因もさまざまなので、まずは医療機関を受診することが大切です。とくにいつもの咳・痰と違う時は、すぐに医療機関を受診しましょう。

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