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お年寄りの病気:精神・神経の症状

手が震える

てがふるえる、Tremor of a hand

飯島 節

どのような状態か

 「手が震える」とは、一般に意思とは無関係に手が振動してしまうことをいいます。こうした意思とは無関係な体の動きを不随意(ふずいい)運動と呼び、なかでも規則正しい往復運動のことを振戦(しんせん)といいます。一方、筋力の低下や運動失調によって随意運動自体が不安定になることも「震える」と表現されることがあります。

必要な検査と疑われる病気

 振戦が生じる代表的な疾患には、パーキンソン病本態性振戦(ほんたいせいしんせん)があります。パーキンソン病の振戦は左右どちらかの指先に始まり、ひどくなると全身に及びます。パーキンソン病の振戦の特徴は、手を動かしていない安静時にひどく、何か動作を始めると逆におさまることです。一方、本態性振戦では字を書くなどの動作をしようとすると震えがひどくなり、安静時にはほとんど消失します。

 パーキンソン病は高齢者に多い病気で、振戦のほかに動作が緩慢(かんまん)になったり体が硬くなったりします。一方、本態性振戦のほとんどは若いうちに発症し、振戦のほかには症状はありません。

 パーキンソン病は診察のみでも診断できますが、他の類似の病気を除外するために頭部CTやMRIなどの検査を行います。振戦そのものを客観的に評価する目的で、表面筋電図検査を行うこともあります。

 高齢者でとくに注意すべきことは薬の副作用です。交感神経を刺激する薬、たとえば気管支拡張薬は震えを増強します。また、抗精神病薬や消化管機能改善薬などで薬剤性パーキンソン症候群が生じることがあります。

家庭での対処のしかた

 パーキンソン病でも本態性振戦でも、手の震えは精神的緊張によってひどくなるので、ストレスを避けることが大切です。とくに患者さんにとって周囲の目は非常に気になるものなので、家族は震えをあまり指摘しないように心がけます。

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