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子どもの病気:子どものがん

ウイルムス腫瘍

ウイルムスしゅよう、Wilms' tumor

片岡 哲

どんな病気か

 腎臓にできるがんで、子どものおなかのがんとしては神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)に次いで多くみられ、ほとんどが5歳以内に発病します。腎臓の未熟な組織から発生するので腎芽腫(じんがしゅ)とも呼ばれ、大人の腎臓がんとは根本的に違います。

 2つある腎臓のうち片側に起こるのがほとんどですが、左右両側にできることもあります。無虹彩症(むこうさいしょう)や半身肥大症、腎の奇形、尿道下裂(にょうどうかれつ)などの生まれつきの奇形と合併しやすいところから、染色体異常が原因として考えられています。

 神経芽細胞腫と同じように、おなかに硬いしこりがあることで発見されます。病気が進行すると近くの臓器へ広がったり、肺に転移することが多く、リンパ節、肝臓、骨などに転移することもあります。治療法の進歩によって、早い時期に見つかればほとんどが治るようになりました。

症状の現れ方

 しこりがかなり大きくなるまで症状はあまりみられず、ほとんどが入浴時などに家族が偶然におなかのはれやしこりに気がついた時に発見されます。わき腹に表面が滑らかで硬いしこりとして触れる特徴があります。

 一般に、しこりに痛みはありませんが、おなかを痛がったり、吐き気が起こったり、血尿が出ることもあります。また、不機嫌、顔面蒼白、食欲低下、体重の減少、発熱、高血圧などもみられます。肺に転移すると胸部X線写真で丸い不透明な影が認められます。

治療の方法

 手術でがんのできている腎臓を摘出します。早期発見の場合には腎臓の摘出後に抗がん薬による治療が続けられ、ほぼ完治します。転移がある場合でも、腫瘍がある腎臓を摘出して抗がん薬や放射線による治療を行うことでかなり治ります。

 両方の腎臓に腫瘍ができた場合、可能であれば腎臓を摘出せず、抗がん薬による治療で腫瘍を小さくしてから腫瘍のみを切除します。

 大人の腎臓がんと違って肺への転移が致命的にはなりません。片側の腎臓は摘出されてなくなってしまいますが、残った腎臓だけで十分機能は果たすことができます。

病気に気づいたらどうする

 神経芽細胞腫と同じく、おなかに硬いしこりやふくらみがないかどうか、普段から観察してください。子どものおなかが異様に大きいと感じたり、腹痛を訴えて血尿がみられたら、ウイルムス腫瘍の可能性もありますので、すぐに小児科、あるいは泌尿器科を受診します。

 進行は比較的ゆっくりですが、肺やリンパ節に転移しやすく、他のがんと同様に早期発見が大切です。治癒率の高いがんですから、進行していることがわかっても希望を捨てないで治療を受けてください。

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