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子どもの病気:血液の病気

血友病

けつゆうびょう、Hemophilia

高橋 良博、伊藤 悦朗

どんな病気か

 出血が止まるためには、局所の血管が収縮するとともに血小板が粘着・凝集し、引き続いて血液凝固反応が起こり、フィブリンという糊(のり)状の物質が形成される過程が必要です。血液凝固には血小板による一次凝固と、さまざまな凝固因子が段階的に活性化され進行する二次凝固があります。

 血友病は、この二次凝固に関わる血液凝固因子である第Ⅷ因子(FⅧ)あるいは第Ⅸ因子(FⅨ)が先天的に欠乏するために出血症状を示す疾患です。FⅧが欠乏している血友病AとFⅨが欠乏している血友病Bとに大別されます。

原因は何か

 FⅧ遺伝子とFⅨ遺伝子はともにX染色体に存在し、伴性劣性遺伝(はんせいれっせいいでん)形式をとるため通常は男性にだけ発症します。しかし明らかな家族歴を認めない孤発例が、約半数あります。

症状の現れ方

 まれに頭蓋内出血などで新生児期に発見されることもありますが、多くは運動量が増える生後6カ月以降に出血症状で気づきます。ハイハイをする時期には膝(ひざ)や肘(ひじ)の皮下血腫(ひかけっしゅ)、つかまり立ちができるようになると転んだ時に口内からの出血が止まりづらくなり、歩行が活発になると足の関節や膝の関節の出血が認められるようになります。

 長期的には同じ関節に繰り返して出血した結果、関節の変形や可動制限などの血友病性関節症が問題になります。しかし軽症型の場合は出血症状が明らかでなく、抜歯や外傷時に止血されにくいということで初めて診断されることもあります。

検査と診断

 凝固系検査では、外因系凝固を反映するプロトロンビン時間は正常ですが、FⅧとFⅨが関係する内因系凝固を反映する活性化部分トロンボプラスチン時間が延長した場合、血友病が疑われます。

 確定診断のためには第Ⅷ因子活性と第Ⅸ因子活性の定量(測定)を行います。健常人の各凝固因子活性を100%として、1%以下を重症型、1~5%を中等症型、5%以上を軽症型と診断します。

治療の方法

 凝固因子製剤の補充療法が行われます。在宅自己注射療法の普及により、従来の出血時投与から定期的予防投与へと治療の中心が変わりつつあります。適切な予防投与により血友病患児の生活の質(QOL)も向上し、健常人とほぼ同様の生活が可能になってきています。

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