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チリツモ筋トレで人生を変える! 久野教授の「カラダの強化書」

血管を軟らかくするたった1つの方法、有酸素運動の威力

第4回 健康長寿の実現には、筋トレだけでも、有酸素運動だけでもダメ!

 久野譜也=筑波大学大学院スポーツ医学専攻教授

 前回(「メタボより怖い! 痩せにくく、筋肉が落ちてきた人は『サルコペニア肥満』予備軍」)は、肥満やメタボリックシンドローム、サルコペニア肥満を予防・改善し、生活習慣病や寝たきりになるリスクを回避するためには、筋力トレーニングと有酸素運動の両方を習慣にすることが大切だとお話ししました。今回は、なぜ筋トレと有酸素運動の両方が大切なのか、なぜ片方だけではダメなのか、ということについて、もう少し詳しくお話ししましょう。

速筋を使うとエネルギー生産量、遅筋を使うと生産効率が上がる

 筋肉はいわば、人体における「工場」と言えます。この工場が、体や内臓を動かすエネルギーを生み出しています。

 筋肉の細胞(筋線維)は、速筋遅筋の2種類に大きく分けられ、それらがモザイク状に構成されています。ご存じの方も多いかと思いますが、速筋は瞬発的に大きな力を出す筋肉で、筋トレや短距離走などの無酸素運動をするときに使われます。一方、遅筋は大きな力は出せない一方、持久力を発揮する筋肉で、ウォーキングやマラソンなどの有酸素運動をするときに使われます。速筋と遅筋で、それぞれ役割が分かれているんですね。

 筋トレをすると、負荷をかけた部分の筋肉が太くなっていきますが、これはなぜだと思いますか? それは、速筋は、使われると太くなり、使われないと細くなる性質があるからです。速筋が増えて太くなるということは、エネルギーを生み出す工場の数が増え、体に占める工場の面積が拡大することを意味します。すると、生み出されるエネルギーの量も増えていきます。一方、遅筋は、いくら使ってもほとんど太くなりません。その代わりに、エネルギーを生み出す工場の生産効率を高めることができます。この工場の生産効率が高まる仕組みを、もう少し詳しく説明していきましょう。

有酸素運動を続けると毛細血管の数が増えていく

 筋線維内にある工場の名前はミトコンドリア。その工場を動かすためのエネルギー(燃料)はATP(アデノシン三リン酸)といいます。ATPは車でいえばガソリンのようなものですが、車の場合はガソリンがなくなればスタンドに行って補給する必要があるのに対し、人間の筋線維内にあるミトコンドリアは、ATPを使って筋肉などを動かすと同時に、ATPを生産する仕組みも持っています。その材料となるのが、糖と脂肪です。有酸素運動では主に、体内の脂肪がATP生産の材料として使われます。「有酸素運動をすると脂肪が燃えて痩せる」といわれるのはこのためです。

 ただし、脂肪を燃焼してATPを生産するには、酸素が必要となります。ミトコンドリアには酸素を取り込むための“蛇口”がついています。この蛇口の役割を果たしているのが、毛細血管です。運動習慣のあまりない人は、ミトコンドリア1つに対して、2~3の毛細血管があるのですが、持久的トレーニング(有酸素運動)を行っていくと、毛細血管の数が増えることが分かっています。毛細血管が増えれば、それだけ血流が増し、酸素の供給量も増えます。したがって、より効率的にエネルギーを生み出せるようになります。

図1 速筋と遅筋の働きの違い
速筋を使うと工場(筋肉)の面積が拡大してエネルギーの生産量が上がる。遅筋を使うと、酸素を供給する毛細血管が増えてエネルギーの生産効率が上がる。
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