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「ヘルシー表示食品」と「糖類の多い食品」は、食べた後の間食を誘う

罪悪感の少なさが空腹感に影響?

 大西淳子=医学ジャーナリスト

高糖類シェイクを飲んだ後のほうが間食の量が多い

 試験1では、70人の学生に、空腹状態でいずれかのシェイクを飲んだ20分後に、ショートフィルムを見ながら提供したポテトチップスを自由に食べる、という課題を出しました。学生たちには試験の真の目的は知らせず、「どのショートフィルムがチップスを食べるのにふさわしいのかを知るため」と告げていました。

 試験の結果、高糖類シェイクを飲んだグループのほうが、ポテトチップスの摂取量が多いことが分かりました(表1)。飲んでいるときには区別できないはずなのに、糖類の含有量はその後のポテトチップスの消費量(おそらくは空腹感)に影響を及ぼしていました。

表1 試験1の結果(ポテトチップス摂取量)
高糖類低脂肪シェイク低糖類高脂肪シェイク
ポテトチップス摂取量17.83g(101.81kcal)12.43g(70.98kcal)

健康に良いという思い込みがあるほうが、間食量を増やす

 試験2では、184人の学生を対象に、心理的な要因も組み合わせて評価しました。用意したのは試験1と同じ2種類のシェイクですが、それぞれのシェイクに、健康に良いことを意味するラベル(HELATHY LIVING)と、健康には良くないが、特別にリッチな感じを持たせるラベル(INDULGENCE)のいずれかを添付し(図1)、計4種類のシェイクを用意しました。

図1 シェイクのラベル
実際にはどちらも同じ成分を含むが、先入観を持たせるため実際とは異なる成分表を添付した。
*本来UNHEALTHYと同義だが、大目に見る、楽しみ、特権といった意味も持つ単語であるINDULGENCEを用いている。(Mandel N, et al. Appetite. 2017 Jul 1;114:338-349. を基に作成)
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 その結果、食べたポテトチップスの量は、HEALTHYラベルの高糖類シェイクを飲んだグループのほうが、INDULGENCEラベルの高糖類シェイクを飲んだグループよりも多く、逆にHEALTHYラベルの低糖類シェイクを飲んだグループはINDULGENCEラベルの低糖類シェイクを飲んだグループより少なくなっていました(表2)。

表2 試験2の結果(ポテトチップス摂取量)
高糖類低脂肪シェイク低糖類高脂肪シェイク
HEALTHY LIVINGラベル15.86g(90.56kcal)12.53g(71.55kcal)
INDULGENCEラベル12.38g(70.74kcal)15.59g(89.02kcal)

 今回の2つの試験で得られた結果は、食べた食品の糖類の含有量が多いほうが、また、健康に良いという思い込みがあるほうが、その後の間食の消費量が増えることを示唆しました。ただし、本人が、シェイクが不健康だと認識すると、糖類が摂取量に及ぼす影響は小さくなる、すなわち、食欲がコントロールされる可能性も明らかになりました。

 著者らは、特に朝食用のヨーグルト、シリアル、グラノーラなどは、ヘルシーを売り物にしつつ糖類が多いので、その後の間食を増やすのではないかと心配しています。

 論文は、Appetite誌2017年7月号に掲載されています(*2)。

*2 Mandel N, et al. Appetite. 2017 Jul 1;114:338-349. doi: 10.1016/j.appet.2017.04.001. Epub 2017 Apr 4.
大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。
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