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カルシウムを必要以上に摂っても骨折は予防できない

摂りすぎると便秘、循環器疾患、腎臓結石などの恐れ

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 骨折予防にカルシウムを積極的に摂りましょう―。よく聞かれるフレーズですが、実際にはそう単純なものではないようです。

 今年9月末に、「50歳を超えた人が、骨折予防を目的として、食事やサプリメントを通じてカルシウムを積極的に摂取しても、利益はない」ということを示した論文が相次いで掲載されました。それらは、これまでに行われた、主に欧米人を対象とする多数の研究のデータをまとめて分析したもので、結果の信頼性は高いと考えられます。では、一生懸命カルシウムを摂っても無駄なのでしょうか?

西欧人はもともと日本人の2倍近いカルシウムを摂っている

西欧の高齢者は日本人の1.5~2倍のカルシウムを摂っている。(©siajames -123rf)

 日本人のカルシウム摂取量は、厚生労働省が推奨する量(50歳以上の女性は650mg/日、男性は700mg/日)に比べ、おおよそ200mg/日足りない状態が続いています。一方西欧では、骨粗鬆症の予防または治療を目的として、高齢者に1000~1200mg/日のカルシウム摂取を勧めています。西欧の高齢者は、日本人の1.5倍から2倍に相当する700~900mg/日のカルシウムを食事を通じて摂取しており、それらの人々の少なくとも30~50%は、さらにカルシウムサプリメントも使用していると推定されています。

 カルシウムの摂りすぎは、便秘などの軽い問題から、循環器疾患や腎臓結石などの深刻な病気まで、様々な不調を引き起こす可能性があります。しかし、それらを容認できるほど、カルシウムの骨折予防効果が高いのかどうかは明らかではありませんでした。

 そこで、ニュージーランドAuckland大学のMark J Bolland氏らは、50歳超の人を対象に、食事やサプリメントを介したカルシウム摂取と骨折との関連を調べた研究をデータベースから選出、分析しました。

 食事を介したカルシウム摂取と骨折の関係を調べたランダム化試験(参加者をランダムに高カルシウム食と通常の食事に割り付けて観察を続け、骨折が起こるかどうかを調べる研究)は2件見つかりましたが、それらの研究は、カルシウムの摂取によって骨折リスクが低下するという事実を示せていませんでした。また、対象となる人々のカルシウム摂取量を調べて、骨折との関係を検討した研究が50件ありましたが、うち75%以上が骨折リスク低下を示す結果を得られていませんでした。

 サプリメントによるカルシウム摂取と骨折の関係を調べたランダム化試験は26件あり、多くが骨折リスク低減効果を示していました。ただし、それらの中から質の高い研究のみを選んで再度データを分析すると、どの部位の骨折リスクも低下していませんでした。

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