日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

お知らせ

コラム

話題の論文 拾い読み!

ワクチンは「インフルエンザ肺炎」も予防する

肺炎による入院を57%減らす

 大西淳子=医学ジャーナリスト

高齢者などがインフルエンザにかかると肺炎を引き起こしやすい。(©spotmatikphoto-123rf)

 インフルエンザを発症した後に肺炎になる患者が、高齢者や慢性疾患の患者に多いことが知られています。予防接種は、そうした、インフルエンザに関係する肺炎での入院も予防できるのでしょうか。

 その疑問を検証するため、米国・Vanderbilt大学医学部のCarlos G. Grijalva氏らは、過去に行われた研究のデータを分析しました。その結果、インフルエンザワクチンを接種すると、インフルエンザ肺炎による入院を大きく減らせる可能性があることが分かりました。

インフルエンザ肺炎による入院を予防する効果は56.7%

 Grijalva氏らは、米疾病管理センター(CDC)の主導で2010年1月から2012年6月までに収集された、肺炎で入院した患者の情報を得て、予防接種がインフルエンザ肺炎による入院に及ぼす影響を調べました。

 肺炎を発症して入院していた、生後6カ月以上の患者の中から、その流行期にインフルエンザの予防接種を受けたかどうかが明らかで、入院から72時間以内に鼻から採取した標本を検査施設に送付し、インフルエンザ感染の有無が確認できていた患者を選びました。

 肺炎による入院患者2767人の中で、インフルエンザ陽性だった患者(インフルエンザ肺炎患者)は162人(5.9%)、インフルエンザ陰性だった患者(インフルエンザ肺炎ではない肺炎患者)は2605人でした。このうち、そのシーズンにインフルエンザの予防接種を受けていた患者は、インフルエンザ肺炎の患者では28人(17%)、インフルエンザ肺炎ではない肺炎患者では766人(29%)でした。これをもとに推定した、ワクチンがインフルエンザ肺炎による入院を予防する効果は56.7%になりました。

 同様に、17歳以下の小児患者を対象に分析したところ、予防接種による入院予防効果は75%になり、生後6カ月から4歳までの患者に限定すると84%になりました。

 論文は、米国医師会雑誌(JAMA)2015年10月13日号に掲載されています。

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ)

筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

日経Gooday マイドクター 会員限定記事が読み放題! 登録初月は無料! 登録は今すぐ!

SNSで最新記事をチェック

RSS

最新記事を週2回お届け!

日経IDがあれば簡単30秒で登録できます。

体の不調・病気が気になる場合は…

病気の予防・治療などの限定記事が読めます。医師などの専門家に相談できます。

アクセスランキング

PR

有料会員限定記事ランキング(現在)

病気/サプリなどを調べる

デイリーコンテンツ

明日は変えられる。 提供:アステラス製薬

“男”の健康維持

このサイトについて

日本経済新聞社について