日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > 話題の論文 拾い読み!  > トライアスロンの突然死、「初回」「中高年男性」「スイム中」に多発
印刷

話題の論文 拾い読み!

トライアスロンの突然死、「初回」「中高年男性」「スイム中」に多発

隠れた循環器系の異常が4割強に見つかる

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 「トライアスロンに初めて挑戦するとき、特に中高年男性は、隠れた循環器疾患があると初回のレースで死亡する可能性がある」―。そんな気になる研究結果が米国の医学雑誌「Annals of Internal Medicine」の電子版に発表されました。

米国ではレース中や終了後の死亡・心停止が30年間で135人

トライアスロンの突然死はスイム中が最多。(C) Steve Lovegrove-123rf

 トライアスロンは米国で1970年代に始まり、その後世界中に広まりました。米トライアスロン連盟によると、2015年に米国内で行われたレースには46万人を超える参加者がありました。日本の競技人口も右肩上がりに増加しており、トライアスロンを趣味にする経営者の話題もたびたび紹介されています。

 しかし、トライアスロン中、またはレース終了後の死亡事例はなくならず、アスリートの安全に関する懸念は続いていました。

 そこで米Abbott Northwestern病院のKevin M. Harris氏らは、1985年から2016年までに米国で行われたトライアスロンのレース中・レース後に死亡した人、および心停止後に蘇生した人についての情報を集めました。死亡は、外傷性ではない突然死と、外傷に起因する死亡に分けました。

 突然死、心停止からの蘇生、外傷関連の死亡は、計135人に発生していました。107人が突然死しており、13人は心停止後に蘇生し、15人は外傷により死亡していました。平均年齢は46.7歳(最低は15歳、最高は80歳)で、115人(85%)が男性でした。

 死亡と心停止の多く(135人中90人)は、スイム中に発生していました。それ以外の22人はバイク(自転車)、15人はランの間に、8人はレース後のリカバリー時間に死亡または心停止を起こしていました。外傷によって死亡した15人は、全員がバイク走行中の衝突事故による外傷によって亡くなっていました。

 レース経験についての情報があった68人のうち、26人(38%)は、初めてのレース参加でした。なお、死者のなかに、プロ選手やアマチュアのトップクラスの選手はいませんでした。

 情報がそろっていた、2010~16年に行われたレースの参加者を対象に、年齢と性別別に、死亡または心停止の発生率を推定しました。年間10万人の男性がレースに参加したとすると、2.40人が死亡または心停止を経験し、女性ではその割合は0.74人と推定されました。男性の死亡または心停止は、年齢の上昇とともに増えており、年間10万人当たりの発生率は、30歳未満では2.22人、30代は2.64人、40代は6.08人、50代は9.61人、60歳以上は18.61人になりました。

 一方で、ショート(スイムの距離が750m以下)、ミドル(751mから1マイル)、ロング(1マイル超)と、レースの距離が延びても、死亡または心停止のリスクに差は見られませんでした。

1/2 page

最後へ

次へ

BACK NUMBERバックナンバー

バックナンバーをもっと見る

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • つらい筋トレ不要? 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニング

    薄着の季節になると、何かと気になる“お腹ぽっこり”。短期間で何とか解消したい!と思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、手軽に実践できる「ドローイン」と「猫背姿勢の改善」で“ぽっこりお腹”を解消していこう。

  • 突然死を招く「高血圧」 “少し高め”でも放置は危険!

    日本人の40代男性の約3人に1人、50代男性では約3人に2人が該当するといわれ、女性でも更年期以降に増加する「高血圧」。「少し高いだけだから」と思って対策を先延ばしにしていると、血管の老化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの命にかかわる合併症を引き起こすほか、ヒートショックによる突然死などの原因にもなる。

  • 長年の悩み「腰が痛い」を解決する

    男女とも非常に多くの人が悩むのが「腰痛」だ。ぎっくり腰のように、痛みは強いが原因が分かりやすいものは対策しやすいが、問題なのは原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう慢性腰痛。長年にわたって悩む人も少なくない。だが、この10年で腰痛治療は大きく変わった。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間
明日は変えられる。 提供:アステラス製薬

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.