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激しい運動を長く行うと、脳内出血やくも膜下出血を増やす恐れ

脳卒中予防には「ウォーキングなどの中強度の運動を長めに」がおススメ

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 運動不足の人は脳卒中を発症しやすいことが知られています。では、どれくらい運動すれば、脳卒中リスクは下がるのでしょうか。今回は日本人のデータを基にした研究結果をご紹介します。

日本人の脳卒中予防に最適な運動量は?

日本人に多い出血性脳卒中は、激しい運動量が多いほど増える恐れが。(C)Ivanko Brnjakovic-123rf

 運動が脳卒中の発症を抑制することを示した研究は複数ありますが、それらは主に欧米で行われていました。日本人と欧米人では、遺伝的背景もライフスタイルも異なります。また、欧米人に比べ日本人は脳卒中を起こしやすく、特に出血性脳卒中(脳内出血やくも膜下出血)が多いことが知られています。したがって、西欧で行われた研究の結果を日本人にそのまま当てはめることはできません。

 そこで、米Minnesota大学公衆衛生大学院の久保田康彦氏など、JPHCスタディ(Japan Public Health Center-based Prospective Study; 主任研究者は津金昌一郎氏)の研究者たちは、日本人の脳卒中予防に最適な運動量を明らかにしようと考えました。

脳卒中とは

突然生じた脳の血流障害が、脳細胞に障害をもたらす病気全般を示す。脳の血管が破れる出血性脳卒中(脳内出血、くも膜下出血)と、血管が詰まる虚血性脳卒中(脳梗塞)に分けられ、虚血性脳卒中はさらに、血流に乗って流れてきた血栓が脳の太い血管を詰まらせる塞栓性脳梗塞と、それ以外の原因で脳の血管が詰まる非塞栓性脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞)に分けられる。動脈硬化が原因で起こる脳梗塞は、アテローム血栓性脳梗塞

脳卒中
出血性脳卒中
脳内出血
くも膜下出血
虚血性脳卒中(脳梗塞)
塞栓性脳梗塞
非塞栓性脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞)

 現在も進行中のJPHCスタディは、日本人の成人14万420人(男性6万8722人、女性7万1698人)を追跡しています。今回の分析の対象になったのは、循環器疾患またはがんにかかったことがない、50歳から79歳までの7万4913人(男性3万4874人、女性4万38人)です。それらの人々の身体活動量と脳卒中の発症の関係を、2000年から2012年まで追跡しました。

 身体活動の総量は、余暇の運動と、仕事関連の移動や家事のための身体活動を合わせて推定しました。個々の活動の運動強度を示す指数「メッツ(METs;Metabolic Equivalents of Task)」(*1)に活動時間をかけ合わせた「エクササイズ(Ex;Excersice=メッツ×時間)」(*2)を合計して、1日当たりの身体活動量(エクササイズ/日)を求め、これに基づいて対象者を4群に分けました。

*1 メッツ(METs):身体活動の「強度」を表わす単位で、安静時(座って安静にしている状態)を1メッツとし、それぞれの身体活動がその何倍の強度に相当するかを示す。普通歩行は3メッツ、ジョギングは7メッツに相当する。
*2 エクササイズ(Ex):メッツに時間をかけたもので、身体活動の「量」を表わす単位。普通歩行(3メッツ)を3時間行うと、3×3=9エクササイズ(メッツ・時間)となる。

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