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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

世界で一番スピードの速い筋肉は?

第29回 ハエやカは、最大で1秒間に2000回も羽を動かしている

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、筋肉のタイプによる性質の違いを見ていきます。世界で一番スピードの速い動作ができる筋肉は何だと思いますか? それはハエやカなどの空を飛ぶ昆虫の筋肉です。同じ速度で人間が脚を動かせると、時速500km以上になるそうです。

「長さ-張力関係」は筋肉のタイプによってどう変わるか?

 これまで説明してきた筋肉の基本的な性質は、ヒトの筋肉だけに限定されたものではありません。ネズミやカエルなど、あるいはもっと下等な動物、さらには内臓などを動かしている平滑筋も、ほぼ同じ性質をもっています。

 ただし、細かい点ではずいぶん違います。例えば、筋肉の長さによって張力が変化する「長さ-張力関係」では、平滑筋など構造がはっきりしていない筋肉のほうが広い範囲で力を出せる、ということがわかっています。構造がはっきりしていないというのは、筋収縮の単位であるサルコメア(筋節)が規則的に配列していないということ。サルコメアの太いフィラメントと細いフィラメントが規則的に並んでいるときれいな縞模様になりますが、平滑筋は比較的ファジーに配列されていて、縞模様になっていません。

 そういう構造のせいで、平滑筋は筋肉が伸ばされたときも、全体的にファジーに引き伸ばされます。強い力で引っ張れば大きく伸ばされるし、縮まるときもうんと縮まる。つまり、広い範囲で力を発揮できる特性があるのです。部位によっては、一番縮んだ長さと一番引っ張られた長さが10倍ほども違います。ですから、胃袋などは食べ物が入ると大きく膨らみ、空腹になれば元に戻ってくる。この仕組みは、筋肉の性質に基づいているわけです。

 一方、骨格筋や心筋などの横紋筋(サルコメアが規則正しく横紋をなしているため、こう呼ばれます)は、せいぜい2倍ほどの長さにしか伸びません。しかも2倍まで伸びるのは筋線維単位で見た場合で、筋肉全体はそこまで伸びません。平滑筋と比べると、本当に狭い長さの範囲でしか使われていないのです。

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