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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

体幹を鍛えれば長友選手のようになれるか?

第51回 パフォーマンスを高める、筋力トレーニングの考え方

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。前回は、「1つのトレーニングには1つの効果しかない」という「特異性の法則」を解説しました。一方、最近では、サッカーの長友佑都選手の「体幹トレーニング」が有名になったこともあり、誰もが「体幹、体幹」と言うようになりました。では、体幹さえ鍛えればいいのでしょうか。

体幹を鍛えればいいという考えが正解とは限らない

 前回は、1つのトレーニングには1つの効果しかないという「特異性の法則」について解説しました。唯一無二のトレーニングはないので、目的に合ったトレーニングを選ぶことが大切であるということもお話ししました。今回はそのことについて、もう少し考えてみましょう。

 例えば、ある選手が体幹トレーニングを行ったところ、競技のパフォーマンスが非常に上がったとします。それは体幹トレーニングの効果が表れたと考えていいわけですが、実はその選手は四肢のパワーが強い割にコアが弱い、という特徴をもっていた可能性もあります。一見、筋肉があるように感じられても、全身がうまく連動していなかったために、動作が不安定になったり、再現性の高い動作ができなかったり、力の伝達がうまくいっていなかったりしたのかもしれません。そうした課題があったことに気づかず、たまたま取り入れた体幹トレーニングで弱点が補強され、結果としてパフォーマンスが著しく上がったということもあり得ます。

 つまり、このケースは“偶然”によって導き出された結果であり、それを見たほかの選手がコアさえ鍛えればいいと判断してしまうのは早計です。体幹は十分に強いけれども脚力に欠点がある、という選手がいくら体幹トレーニングを行っても、パフォーマンスが劇的に上がるということはないでしょう

 サッカーの長友佑都選手の体幹トレーニングが有名になり、最近は大人から子どもまで「体幹、体幹」と言っているような風潮がありますが、体幹さえ鍛えれば長友選手のような動きを獲得できると考えてしまうのは間違いです。長友選手は体幹トレーニングを取り入れる前に四肢をよく鍛えていたそうですから、脚力や全身持久力といった総合力が既に十分高まっていたと考えられます。その上で体幹トレーニングを行ったからこそ、競技におけるパフォーマンスが上がったのでしょう。

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