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幸福薬局・幸井俊高の しあわせ漢方

肩こり・首こりに効く漢方

体の内側から筋肉の凝りをほぐす

 幸井俊高=薬石花房 幸福薬局代表・薬剤師

私たちの肩や首は、スイカ1個分の重さにもなる頭を筋肉で支えています。「こうした負荷によって常に筋肉が緊張した状態になり、『肩こり・首こり』が起こります。漢方薬は体の内側から筋肉をほぐしていきます」と幸福薬局の薬剤師、幸井さんは説明します。

Aさん(男性、42歳)
「肩こりがひどく、肩がパンパンに張っています。首から背中にかけても凝っています。マッサージをすると楽になりますが、翌日には、また凝ってきます」

 東京都内の会社に勤務する42歳男性のケースです。デスクワークで朝から一日中、ときには深夜までずっとパソコンに向かって作業をしているといいます。肩こりのせいか、いらいらしやすく、ため息がよく出るようです。社会人になるまでは肩こりはありませんでした。舌をみると、赤い色をしています。

 肩こりは、ごく普通にみられる症状です。つらいときには湿布薬やマッサージ、はり(鍼)で楽になります。しかしこの男性のように、すぐまた肩こりがぶり返してしまうような場合は、根本的な対策を取った方がいいかもしれません。

肩と首の凝りは頭の重さも一因

 人の頭は5kgほどの重さがあります。座っているときや立っているときは、それが頸椎(けいつい)と呼ばれる一本の首の骨の上に乗っている状態です。このとき頭がぐらつかないように、首の骨の周りには頭部を支える筋肉が発達しています。

 5kgといえば、ちょうどスイカ1個と同じくらいの重さです。これを首の骨と筋肉とで支え続ける訳ですから、それはちょっとした負担になります。

 首を支える主な筋肉は、後頭部から下に広がり、肩甲骨や鎖骨にまで及ぶ僧帽筋(そうぼうきん)です。カトリック修道僧のフード(帽子)と似ているので、この名がついたそうです。

 頭部の重心がちょうど背骨(脊椎:せきつい)の真上にある状態なら、僧帽筋などにかかる負担は、さほど大きくありません。しかし少しでも前屈みになると、頭が前に倒れていかないように維持するための力が僧帽筋などに求められます。

 それは、スイカを上から片手でわしづかみにし、バスケットボール選手のようにぐっと持ち上げるだけの力に匹敵します。この姿勢を続けると、当然のこととして筋肉が疲れます。その結果、肩こりや首の凝りが生じます。

 この男性のように始終そのような姿勢で仕事をしていると、僧帽筋などは一日中スイカを落とさないように力が入っている状態が続きます。すると、筋肉の緊張が慢性化し、筋肉が硬くなり、血液の循環が悪くなります。酸素や栄養が筋肉全体に行き渡らず、疲労がたまり、慢性的な肩こりが生じます。寝ているときも筋肉の緊張が取れず、肩は硬いままです。

 こうなると、マッサージや湿布薬で肩こりをほぐしても、僧帽筋などは形状記憶合金のように次第に元の緊張した状態に戻り、翌日には元の木阿弥(もくあみ)、また肩が凝っている状態になります。

 漢方薬は、凝りを一時的に解消するのではなく、筋肉が緊張して硬いままになっている「肩こり体質」を改善していきます。体の外からではなく、体の内側から筋肉をほぐし、筋肉をリラックスさせる効果が期待できます。

漢方薬で筋肉の緊張を緩める

「枳実 (キジツ)は ミカン科の常緑高木ダイダイの未成熟果実。 気を巡らせる働きが強く、健胃、通便、去痰、排膿作用などがあります」
(写真:室川イサオ)

 Aさんのように筋肉の緊張が顕著な場合は、肝気(かんき)の流れの停滞が原因となっていることがよくあります。中医学でこういった状態(証:しょう)を「肝鬱気滞(かんうつきたい)」といいます。

 漢方で肝(かん)といえば五臓六腑の肝のことで、体の諸機能を調節したり筋肉の緊張を制御したりする機能を意味します。長期間のデスクワークなどが引き金となり、その肝の機能(肝気)が滞っている(鬱滞:うったい)しているのが肝鬱気滞です。憂鬱、いらいらなどの症状もみられます。赤い舌は、この証によくみられる舌象(ぜっしょう:舌に現れる色や性質などの特徴)です。

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