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幸福薬局・幸井俊高の しあわせ漢方

「寝汗」に効く漢方

汗をコントロールする「衛気」の不足を、漢方薬で解消していく

 幸井俊高=薬石花房 幸福薬局代表・薬剤師

暑い日が続いています。夜中に寝苦しくて目を覚ますと、汗をびっしょりかいているという人も少なくないでしょう。蒸し暑い夜に汗をかくのは正常な生理現象ですが、蒸し暑くもないのに、毎日のように寝汗をかくようなら、体内で何かが起こっている可能性があります。幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは、「眠っている間に汗をコントロールしている衛気が不足し、病邪が進入し、体調が悪化して寝汗が生じます。この症状の人に対しては、漢方薬を使って衛気の不足を解消し、寝汗体質そのものを改善していきます」と話します。

Aさん(女性、43歳)
「最近、よく寝汗をかきます。眠りが浅くなったのか、夢をよくみるようにもなりました」

 Aさんは、もともと冷え症で、寝汗をかくタイプではありませんでした。しかし今年に入ってから実家の両親の健康問題や、ご近所とのトラブル、子どもの学校問題など、悩ましい問題が次々と起こり、そのせいで心労が絶えず、ちょうどそのころから寝汗をかくようになったそうです。いやな夢をみて、はっと目覚め、汗をびっしょりかいている、ということもあります。急に動悸がすることも増えました。舌をみると、白っぽい色をしています。

 汗は、気温が高いときや運動をしたときに出てきて、その気化熱で体温を下げる働きをしています。もし汗が出ないと、真夏の直射日光のもとでは体温がすぐ40度を超え、生命の危険が生じます。つまり、蒸し暑い夜などにかく汗は正常な生理現象で、何の問題もありません。正常な発汗は、われわれが健康であることの証です。

 しかし蒸し暑くもないのに夜毎不快な寝汗をかくようなら、それは体内でなにか健康を阻害することが起こっていることを示す症候かもしれません。

寝汗の原因は、衛気の不足

蒸し暑くないのに不快な寝汗が続くようなら、体内で何かが起こっている可能性があります。(c)PaylessImages -123rf

 漢方では、汗は津液(しんえき)が変化したものと捉えています。津液とは、体内で生命活動に必要な水液のことです。そして汗のコントロールをしているのは、衛気(えき)です。衛気は気の一種で、体表を守り、外界からの病邪の侵入から人体を防衛し、体液や汗を管理し、体温を調整します。したがって衛気が不足すると、発汗のコントロールができなくなり、必要以上に汗をかくようになります

 津液は、気とともに体内を循環しています。必要以上に寝汗をかくと、津液が無駄に体外に漏れ出ることになり、体内に保存しておきたい大切な気までもが汗と一緒に体外に漏れ出てしまいます。その結果、朝から疲れを感じるなど体調がわるくなっていきます。

 寝汗のことを、中医学(中国の伝統医学)では盗汗(とうかん)といいます。まさに眠っているあいだに人体に必要な津液と気がこっそりと盗み出される、寝汗とはそんな症候です。

 一日のサイクルを漢方の視点で見ると、昼間が陽で、夜間が陰です。昼間は陽気がさかんになり、夜間は陰気がさかんになります。人間の体内でも、日中は陽気が、そして夜は陰気が強くなります。人間のからだは機械やプラスチック製品とは違い、大自然の一部であり、生命体です。したがって、わたしたちの体調は自然界や宇宙のリズムに合わせて変化しています。

 汗のコントロールをしている衛気は、陰陽の陽に含まれます。したがって夜、眠っているあいだは衛気の機能が低下します。

 健康な状態なら、ふつうに寝間着を身につけて、寝具をかけて寝ていれば、自然界のサイクルに合わせて夜間に衛気が少しばかり低下しても大丈夫です(さすがにおなかを出して寝れば体調を崩しますが)。しかし体調が万全でないときは、衛気の不足に便乗して病邪が体内に侵入し、夜間に体調が悪化して寝汗が生じます。

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