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ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

女医に対するみんなの誤解

性別にとらわれすぎると、よりよい医療を受けるチャンスを逃す

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

「医療とは、医師から受けるもの」、こんな一方通行のイメージを私たちは抱いてしまいがちです。しかし、最善の医療は患者がかしこく「手に入れるもの」という発想を持つと、今よりももっと満足のいく治療を受けられたり、医師とのコミュニケーションをもっとうまくできるようになるはずです。臨床経験が豊富で、遠方からの患者も多い緑蔭診療所の橋口玲子先生に、知っておくと絶対役立つ、患者の心得を指南してもらいます。

 長年医師をしていると、患者さんが私を医師として頼りにしてくれることを感じ、ありがたく思う一方で、「女性だから女性の体のことは何でも分かってくれるはず」と思い込まれて、戸惑うことがあります。例えば、こんなケースです。

Hさん(女性)
「婦人科関連の不調で気になっていることがあるんです。先生が内科の先生だということは知ってはいるのですが、やっぱりこういう場合は女医さんに診ていただきたくて。女性だから話しやすいし、女性のつらさもよく分かっていただけると思って…」

 50代前半のHさんは、閉経後にイライラや冷えなどの更年期症状で悩んでいました。さらに話を聞くと、最近、外陰部のひりひりするような痛みや性交痛が気にかかっているようです。

 閉経後の女性はエストロゲンの低下によって膣や外陰部の粘膜は薄く弱くなり、膣粘膜の潤いも減ります。この状態は「萎縮性膣炎・萎縮性外陰炎」と呼び、外陰部の痛みや痒み、性交痛が生じる場合があります。

 Hさんの症状が萎縮性膣炎・外陰炎であることは内科医でもわかりますが、ホルモン療法などの治療をするとなると担当は婦人科です。残念ながら、婦人科は私の専門外。私を頼ってきてくれたHさんには申し訳なかったのですが、治療を希望されているのなら、婦人科を受診するのが良いことをお伝えしました。

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