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ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

セカンドオピニオンは医師への裏切り?

ほかの医師の意見を求めることは、納得して治療を受けるために重要な行為

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

「医療とは、医師から受けるもの」、こんな一方通行のイメージを私たちは抱いてしまいがちです。しかし、最善の医療は患者がかしこく「手に入れるもの」という発想を持つと、今よりももっと満足のいく治療を受けられたり、医師とのコミュニケーションをもっとうまくできるようになるはずです。臨床経験が豊富で、遠方からの患者を多く受け入れる緑蔭診療所の橋口玲子先生に、知っておくと絶対役立つ、患者の心得を指南してもらいます。

 前回((「“心付け”で治療の質は上がらない」)は、「心付けを渡せば医師は一生懸命に治療をしてくれるはず」という患者さんの思い違いについてお話しました。実は、医療現場にいると遭遇する「患者さん側の思い込み」の代表例が、もう一つあります。それは、「セカンドオピニオン」についての考え方です。

Gさん(男性)
「脚のしびれや痛みがつらくて、かかりつけの整形外科に行ったんだけど、『脊柱管(せきちゅうかん)狭窄症の可能性が高いのですが、手術が必要かどうかすぐに判断できません。もう少し様子を見ましょう』って、煮え切らない対応だったんだよ。それで、セカンドオピニオンっていうの? かかりつけの先生には内緒で、脊柱管狭窄症の手術で有名なクリニックに行って、結局そこで手術を受けちゃった」

セカンドオピニオンを取ることに抵抗感のある人は少なくありません(©ximagination-123rf)

 60代半ばのGさんは、歩くときの脚のしびれや痛みに悩まされていたといいます。かねて通院していた整形外科によると、脊髄が通っているトンネル状の脊柱管が狭くなり、神経を圧迫して下肢に痛みやしびれが出る「脊柱管狭窄症」の可能性が高いものの、すぐに手術が必要かどうかのボーダーラインにある、ということ。

 Gさんは糖尿病も患っており、脚のしびれの原因は、糖尿病によって末梢神経がダメージを受ける「糖尿病性神経障害」の可能性も否定できませんでした。かかりつけの整形外科医がGさんにどのように説明していたのか分かりませんが、糖尿病性神経障害があれば手術をしても、脚の痛みやしびれは変わらないだろうと考えていたと推測できます。

 ところがGさんは、なかなか痛みやしびれが改善されないことに不安を募らせていたといいます。脊柱管狭窄症の手術で有名な別の整形外科の存在を知り、かかりつけの整形外科医には黙って受診してしまいました。Gさんは、インターネットから得た情報から、手術を受ければ、脚の痛みやしびれが改善すると思い込み、「とにかく手術をしてもらいたくて別の整形外科を受診した」と話してくれました。

 Gさんは、脚の痛みやしびれについて話せても、糖尿病の経過や治療については詳しく伝えることができなかったようです。そして、その担当医に言われるままに手術を受けてしまいました。結局、Gさんの症状はさほど改善されず、すっかり落胆していました。しかも、「様子を見ましょう」と言っていた元の整形外科にもかかりづらくなってしまったのです。

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