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石原良純の「日々是好転!ときどきカラダ予報」

石原良純 マラソンはひとりで走っているわけではない

第26回…今秋、3つのマラソンに参加、『函館マラソン』の仇は取った!

 石原良純

因縁の大会を「サブ4」でクリア!

 そんな自信を胸に臨んだのが三週間後の『富山マラソン』。去年は腹痛で途中棄権した因縁の大会だ。

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去年は腹痛で途中棄権した因縁の『富山マラソン』。今年は、3時間56分11秒と、自己ベストには49秒及ばなかったが、2度目の「サブ4」を実現した

 「良純、今年はガンバレ!」「今年は頑張ってますね」と沿道から声援を受ける。「今年は」はいらない。「今年も、しくじったら」と余計にプレッシャーがかかるではないか。レース前半は、笑顔で小さく片手を挙げて声援に応える。苦しくて当たり前のマラソンで、「何を言ってやがる」とか負のエネルギーはいらない。ランナーと沿道の観衆が正と正のエネルギーをぶつけ合ってこそ、42.195キロが克服できる。

 『富山マラソン』最大の見どころであり、最大の難所となるのが高低差60メートルの新湊大橋。2キロの上りと2キロの下りがランナーの走力を確実に奪う。

 新湊大橋を下り終えても、まだ28キロ地点。ここからがマラソンの真骨頂だ。脚が痛くて思うほど上がらない。背後からは4時間ゴールの緑の風船を帽子につけたオフィシャル・ランナーが迫ってくる。脚が上がらずストライドが伸びないのならば、細かくピッチを上げて速度を維持すればいい。どんどん息が苦しくなってくる。もはや沿道の声援に手を上げる余裕はない。僕は小さく目の玉だけを動かして挨拶する。沿道の皆さんに僕の感謝の気持ち、伝わっていただろうか。

 レースの結果は、3時間56分11秒。自己ベストには49秒及ばなかったが、6月の惨敗した『函館マラソン』の仇は取れた、と僕は満足している。

今回は、いつも沿道からもらっているエネルギーを返す番

 11月の『福岡マラソン』は、KBC(九州朝日放送)特別番組のゲスト・サポーターとして参加した。踊る阿呆に観る阿呆……とは言ったもの。やっぱりマラソンの主役はランナー一人ひとりだ。スタジオでジッと中継画像を観ているだけではつまらない。途中からスタジオを飛び出して、コースへ応援に出かけることにした。

 スタートから3時間を超え、30キロ地点を間近にするランナーの足取りはどれも重い。頭では走ろうとしても、体は走らない。皆さん、ただ黙々と一歩一歩、歩みを進める。

『福岡マラソン』では、30キロ地点でランナー一人ひとりをハイタッチで送り出した(映像提供:九州朝日放送)
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 ならば今回ばかりは、僕が精一杯の応援をして、いつもは僕が沿道からもらっているエネルギーをランナーに与える番だ。「頑張れ」と大声で声をかけ、一人ひとりをハイタッチで送り出す。「あっ、良純さん」と僕に気がついて、ほんの一時でも足の痛みを忘れるだけでも、僕は役に立ったというものだ。

 マラソンは、ひとりで走っているようで、ひとりで走っているわけではないのです。

石原良純(いしはら よしずみ)
俳優・気象予報士
石原良純(いしはら よしずみ) 1962年1月15日生まれ。神奈川県逗子市出身。慶応義塾大学経済学部卒。テレビ、舞台、映画など幅広く活躍。趣味はマラソン。自宅から10キロ先の所属事務所まで走って通うことも。

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