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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

白色・褐色・ベージュ脂肪細胞…増やすと痩せる脂肪はどれだ?

運動量により増える脂肪の質が変わる

 大西睦子

食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。
今回は悪いものと思われがちな脂肪のなかにある、“増えると痩せる脂肪”について。

脂肪には太りやすいものと太りにくいものがある(©Maxim Ibragimov/123RF.com)

 「みんなと同じようにしか食べていないのにすぐ太る。余分な脂肪を減らしたい」と悩んでいらっしゃる方はいませんか? 今回は、その「脂肪」についての話題です。

 私たちの体にある脂肪は、そのすべてが“悪いもの”ではありません。脂肪細胞には、「白色脂肪細胞」「褐色脂肪細胞」そして「ベージュ脂肪細胞」があります。まずはそれぞれの特徴を整理してみましょう。

【白色脂肪細胞】飢餓状態を乗り越えるシステム

 いわゆる、私たちが気にしているのがこの脂肪です。

 下腹部、背中、太もも、お尻、腕や内臓の周りなど、全身のあらゆるところにあります。食事によって過剰になった脂質や糖は、中性脂肪(トリグリセリド)という形で、白色脂肪細胞に取り込まれます。中性脂肪は肉や魚・食用油など食品中の脂質や、体脂肪の大部分を占める物質で、人や動物にとって重要なエネルギー源ですし、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の摂取にも不可欠なもの。この中性脂肪を取り入れた白色脂肪細胞は、風船のようにぷーっと膨らみ、エネルギーの貯蔵庫となります。これは私たちが飢餓の状態を乗り越えるために、必要なシステムです。

 白色脂肪細胞はエネルギーを蓄えるだけではなく、レプチンなどのホルモンも分泌しています。レプチンは脳の満腹中枢に「お腹いっぱい」と信号を伝えて、食欲を抑えてエネルギーを消費させ、過剰なエネルギー蓄積を防ぎます。

 ただし食べ過ぎの状態が続くと、中性脂肪の値が高くなり動脈硬化を引き起こし、肝臓に中性脂肪が過剰に沈着して脂肪肝になります。さらに、レプチンの分泌が過剰になって満腹中枢が反応しなくなり、食べ過ぎて太っていきます。

 また白色脂肪細胞には、「Bmal1(ビーマルワン)」と呼ばれる、体内時計を調整する時計遺伝子(タンパク質)が発現(タンパク質が合成され現れること)しています。ビーマルワンは、体脂肪の増加指令を担い、増加すると脂肪の蓄積量が増えるといいます。ビーマルワンは、22時以降に急増するので、夜間に食べると太りやすいというわけです。

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