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医学博士 大西睦子 食・医療・健康のナゾ

デジタル端末、子どもの発育・教育に良い悪い?

米国小児科学会の最新ガイドライン

 大西睦子

 食、医療など健康にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交え、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。
 日本でもデジタル端末(テレビやPC、スマートフォン、タブレットなどの情報機器)を使い始める年齢、使う時間の長さなどが議論されていますが、米国でも1日の使用時間論争はたびたび起きています。これに対し、米国小児科学会がガイドラインを示しました。今回はデジタル端末の使用が子どもの発育や教育に与える影響について見ていきます。

米国で活発に行われる子どものデジタル端末使用論争

スマートフォン、タブレットなどのデジタル端末の使用は、子どもの発育・教育にどんな影響があるのでしょうか。(©Andriy Popov -123rf)

 テクノロジーの進化で、情報化やグローバル化が広がり、世界との距離感が縮まりました。私は米国に住んでいても日本のニュースを瞬時に知ることができますし、日本の仲間や家族と簡単に連絡がとれます。一方で近くにいる人との距離感が遠くなったと感じることもあります。直接会って視線を合わせて話をするよりEメール、ソーシャルメディアやテキストメッセージでコミュニケーションをする機会が増えたからです。

 快適で便利なライフスタイルを提供する新たなテクノロジーがこれまでに経験したことのないリスクを含んでいる、そうした懸念があるのも理解できます。

 米国では以前から、子どものデジタル端末(テレビ、PC、スマートフォン、タブレットなどの情報機器)の利用についてさまざまな議論が活発に行われています。例えば子どもの発育や教育にどのような利益とリスクをもたらすのか。何歳からの利用がベストなのか。1日の使用時間はどのくらいがよいのか、などなど。

 そこで今回は、「デジタル端末の使用は、子どもの発育や教育にとって良いのか、悪いのか」について、米国で示された最新のガイドラインを紹介します。

スティーブ・ジョブズは、自分の子どもをローテクで育てた

 2014年の記事ですが、ニューヨークタイムズ紙にアップル創業者スティーブ・ジョブズ氏の非常に興味深いインタビューが引用されています。聞き手は『ツイッター創業物語』で知られるニューヨーク・タイムズの記者、コラムニストのニック・ビルトン氏です。

 「あなたの子どもたちは、iPadが大好きでしょう?」というビルトン氏の質問に対して、ジョブズ氏は「子どもたちはまだ使ったことがない」「自宅では子どもたちのデジタル端末の使用を制限している」と答えたといいます。ジョブズ氏宅の壁には巨大なタッチスクリーンが貼られ、ダイニングテーブルはiPadのタイルで作られているだろうと想像していたビルトン氏。想像とかけ離れたジョブズ氏の答えにあ然とし、一瞬沈黙したと言います。このジョブズ氏の発言は2010年後半のものなので、今ならどうしているかは分かりません。しかしその後、ジョブズ氏と同じように「自分の子どもたちがスクリーンに向かう時間を厳しく制限している」という、ベンチャー投資家やテクノロジー企業の最高経営責任者(CEO)にたくさん会ったとビルトン氏は述べています。

■参考文献
The New York Times「Steve Jobs Was a Low-Tech Parent

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