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有森裕子の「Coolランニング」

有森裕子 引退後初レースで流した、現役時代とは違う涙

第1回おかやまマラソンで8年ぶりにフルマラソン完走!

 有森裕子=元マラソンランナー

街の中心からスタートし、中心に戻ってくる贅沢なコース

おかやまマラソンのコースマップ(大会ホームページより)
[画像のクリックで拡大表示]

 話を大会に戻しましょう。おかやまマラソンの開催にあたって、準備段階で一番苦労したのは、コース設定でした。

 おかやまマラソンは、街の中心部から出発し、ゴールで再び中心にある岡山県総合グラウンド陸上競技場に戻ってきます。参加者にとって競技場でのゴールは、国際大会に出場するトップランナーの気分を味わえる、とてもうれしいもの。ただ、スタート地点もゴール地点も街に中心に置く大会は、国内外においてほとんどありません。多くが中心部からスタートし、中心から離れた場所でゴールします。もしくは郊外からスタートし、中心部でゴールするパターンです。

 その理由は、スタートもゴールも街の中心部に置くと、交通規制をかける時間がそれだけ長くなり、街のあらゆる機能に支障が生じるからです。しかも、岡山はバス便が充実した街なので、7時間半以上もメーンストリートの交通を止めることは、“住民の足”にも大きく影響します。

 街には大型商業施設や病院もあり、特に病院前の交通を止めるのは難しい問題でした。しかし、主催者側は県警や各公共機関と何度も交渉や相談を重ね、関係各所の多大な理解と協力のもと、街の中心から中心に戻って来るコースを実現させました。

レース中に違和感を覚えたら立ち止まる勇気を!

 スタート地点は、体育館前の道路の4車線を全て使ったので、ランナーの姿で埋め尽くされた眺めは壮観でした。号砲が鳴ってトップのランナーがスタートし、約1万3000人以上のランナーがすべてスタート地点を通り過ぎるまで10分もかからないスムーズな出だしとなりました。

 参加者の中には、大会スポンサーであるクロスカンパニー石川康晴社長の姿もありました。私も「有森裕子」と名前が入ったゼッケンを胸と背中につけ、ハイタッチしたり、手を振ったりしながら多くのランナーたちと一緒に走り出しました。

 自らがコース設定にかかわった、幼いころから慣れ親しんだ地元の道を走るのは、想像以上に興奮するものでした。桃太郎大通りなどの広い道を走るのは爽快で、自然とペースも上がります。当初は1km6~7分のペースで走ろうと思っていたのに、気がつけば、1km 5分のペース。「ペースを落とさなきゃ…」と気づいた20kmを過ぎた時点で、「あっ」と脚にきました。脚が動かないのです。一旦止まって、屈伸するなどして脚をほぐし、再び走り始めました。

 走っている途中に立ち止まると、もう走れなくなるのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。私も確かに屈伸をしてしゃがみ込んだ時に「あ、立ち上がるのがつらい…」と思いましたが、やはり脚が痛いと思ったらすぐに、勇気を持って立ち止まることは大事だと思いました。もう走れない状態になってしまったら、完走はできませんが、立ち止まってしばらく休み、またゆっくりと走り始めれば完走はできるのです。

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